僕は泣きそうだ
ディオール前で
君と待ち合わせ
並んで街を歩く
手は恋人つなぎ
いつも得意気に
新しい小説の話
君に会うたびに
いつでも同じ話
それなのに君は
初めて聞くフリ
君のその優しさ
僕は泣きそうだ……
露店のお兄さん
隠密な路上商売
僕が君に買った
安いイヤリング
たった500円
君は笑顔で喜ぶ
売れない小説家
いつもごめんね
売れない小説家
ほんとにごめん
君のその優しさ
僕は泣きそうだ……
突然の激しい雨
走り出す僕と君
落ちてしまった
安いイヤリング
たった500円
安いイヤリング
雨の中を探す君
しゃがみこんで
水たまりの路上
しゃがみこんで
だってアタシの
宝物なんだもん
そう言いながら
君は必死で探す
君のその優しさ
僕は泣きそうだ……
僕の安アパート
外側の鉄の階段
いつも鳴り響く
君のハイヒール
ハンドバッグを
振り回しながら
君は嬉しそうに
僕の原稿を読む
売れない小説家
いつもごめんね
こんな僕を君は
王子様だと言う
君のその優しさ
僕は泣きそうだ……
公園のお花畑で
いつものデート
僕の花言葉の話
聞いてくれる君
アタシの彼氏は
才能あるんだよ
そんな風に僕を
自慢してくれる
君は君の友達に
自慢してくれる
君のその優しさ
僕は泣きそうだ……
ある難病の僕は
男の機能がない
ハッキリ言って
君に申し訳ない
それなのに君は
愛してくれるね
君は僕を気遣い
目を細めて言う
貴方の指が好き
貴方の指が好き
炎症した僕の手
キスしてくれる
君のその優しさ
僕は泣きそうだ……
売れない小説家
いつもごめんね
こんな僕に君は
幸せそうに言う
アタシ頑張って
お金持ちになる
そして貴方の本
いっぱい買うよ
貴方が売れたら
自慢するんだ!
貴方の彼女だと
自慢するんだ!
君のその優しさ
僕は泣きそうだ……
あれから15年
君のあの優しさ
今も泣きそうだ……
(作/しりこ)
<追伸>
2002年5月23日 永眠
畠田弘美(享年21才)
今日のポエムを君に捧ぐ
畠田弘美さんのお父様お母様
このポエムの掲載のご許可を
誠にありがとうございます
今こうして頑張れているのは
お嬢様のおかげです
クリスマスローズの花言葉が
君はいちばん好きだったね
真冬になる少し前のお花畑で
初めて手をつないだ僕たち
2002年5月23日 永眠
畠田弘美(享年21才)
いっぱい優しさをありがとう
2007年出版の僕の作品集
「メモリーズ」に登場された
厚美さんとカフェで再会
特発性血小板減少性紫斑病と
闘いつづける難病の厚美さん
厚美さんと僕は20年位前に
福祉のボランティア活動にて
知り合いました
しりこ最新刊「ソネット」で
お顔を隠すお茶目な厚美さん
(ちょっぴり照れ屋さん!)
畠田弘美とも交流して頂いた
厚美さんと久し振りにお食事
厚美さんと弘美と僕の3人で
徳永英明さんのコンサートへ
行ったこともあります
ベーチェット病の悪化により
緊急で診察を受けました
(病院の許可を得て撮影)
オシャレな美容室HAZEの
美少女アシスタント小高さん
しりこちゃんと一緒にいると
やっぱり親子みたい(笑)
HAZEさんのブログ
http://ameblo.jp/haze-of-hair
ジンジャーエールを飲むたび
黒夢のアルバム「CORKSCEW」を
聴きたくなるのはナゼ?
エッセイストの竹内玲子様の
ご著書を僕がご紹介する企画
名著「笑うニューヨーク」の
デラックス・バージョン
実はこの本3冊も持っていて
1冊は仲の良い友達に贈った
玲子様のご著書を読むならば
まずはこの作品から!
御本人の竹内玲子様から直々
許可を得てご紹介しています
(とても素敵な女性です!)
竹内玲子アメーバ公式ブログ
http://ameblo.jp/reikotakeuchi
ファンの方からのご要望にて
帽子を被らないしりこちゃん
(なかなかメズラシ!)
ドラキュラ~
(事務所の仲間と居酒屋にて)
元ヤマハ音楽プロデューサー
野口義修先生と素敵な企画を
現在考案中!
野口先生のご著書についての
お問い合わせは下記へどうぞ
野口義修先生のホームページ
http://yoshinobu.noguchi-art.com
https://www.woom-song.club
しりこ家に遊びに来てくれる
ノラ猫くん
(毎朝ありがとうね!)
眼科で色々と検査を受けたら
視野が狭くなっていることが
判明した
どんどん狭くなり結果的には
見えなくなるらしい
もし何も見えなくなった時は
点字ライターでポエム書くよ
ポエムを楽しみにしていると
メッセージを下さる方がいて
その方の為にも書き続けるゾ
それから毎回ポエムの感想を
送って下さる方にも大感謝!
もう嬉しくて嬉しくて何度も
同じメッセージを読んじゃう
あまりにも嬉しすぎて1人で
小踊りしちゃうことも(笑)
さて本日のポエムは15年の
歳月を経てやっと書けたんだ
今迄はその話題すら避けてた
(やっと素直になれた?)
こんなしりこちゃんですけど
今後共何卒ご指導ご鞭撻の程
よろしくお願いします
《追記》
この日のポエム。彼女のお父様お母様も大変よろこばれました。もし生きていたら36才。だけど、ご両親にとっては永遠に21才なのでしょう。
ご両親が最期に見られたのは病室のベッドで苦しみながら息絶える姿。でも、ポエムの中の彼女は明るくて元気な姿。
ブログ公開前日に彼女のお父様お母様の前で、僕はこのポエムを朗読させて頂きました。
するとお母様が「弘美ちゃんがいる!ここにいる!笑ってる!」と言い、大粒の涙を流しながら、よろこんで下さいました。
他界して15年。彼女を知る者、彼女を記憶にとどめる者が自然と少なくなりゆく時の流れ。
僕がこのポエムを綴り発表した今、(たとえ彼女を知らなくても)ブログ読者様お一人お一人の心の中に彼女の存在が記憶された事でしょう。
きっと彼女は天使として、ブログ読者様お一人お一人を空から見守ってくれるはずです。
お父様お母様が「多くの方に元気だった頃の娘を知ってほしい」と言っておられました。僕も同じ気持ちです。
僕の公式フェイスブックでも多くの方がシェアして下さいました。ありがとうございます。
畠田弘美(享年21才)。彼女の「優しさ」と「生きていた証」が一人でも多くの方に伝わりますように……。
最後になりましたが、彼女のお父様お母様への励ましのメッセージを多数ありがとうございます。ファンメール(プロフィールの自己紹介覧に宛先記載)でも受け付けています。皆様からの励ましの御言葉、お父様お母様へ必ずご報告いたします。そして天国の弘美にも。
(ブログ公開2日後に、この文章を僕しりこが加筆)
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