団塊SONGS/176「中の島ブルース」 | 団塊ソングスのブログ

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  中の島ブルース(一九七三年)


 私はてっきりクールファイブの楽曲と思っていたが、この稿を書くために調べてみたら、違っていた。クールファイブとは競作の形になっていて、オリジナルは秋庭豊とアローナイツだった。それが自主制作として発売されたのが一九七三年であった。
 歌志内炭坑のアマチュア社内バンドだったアローナイツが、実力を認められプロになり、札幌に進出して成功。初のオリジナル曲として自主制作で発売された。この当時の歌詞は札幌市豊平区の中の島のみを舞台としていた、とネット上にある。有線放送で全国的にヒットして、歌詞を札幌のほかに大阪、長崎を加えたメジャー盤が発売されたのが、その二年後だった。同時に内山田洋とクールファイブの競作になり、知名度からクールファイブの楽曲として知れ渡っていく。
 秋庭豊とアローナイツは、メンバー全員が北海道出身で炭鉱夫として働きながらバンド活動を行っていた。誰に見い出されたのかの情報はないが、面白いのは働きながら音楽をやる、というとふつうはフォークかポップス系。こうした演歌をやるだろうか、と違和感がある。たぶんいずれは演歌で世に出る、という強い指向があったのではないか。そのリーダーの秋葉豊は四十四歳の若さで亡くなっている。
 どうしてこの『中の島ブルース』を取り上げたかは、自分でも判然としない。クールファイブの他のヒット曲『長崎は今日も雨だった』『そして神戸』『東京砂漠』などに比べると、酒に酔ってふらふらしながら、口ずさめるような気安さがある。悲恋の歌ではあるが、重さはなく、「水の都にすてた 恋/泣いて別れた 淀屋橋/ほろり落した 幸せを/あなたと二人 拾う街」と二番の歌詞にあるが、捨てられた女がまた新しい幸せを得る、という再生の想いも込められており、演歌にしてはポジティブな息遣いが感じられる。
 歌詞は札幌、大阪、長崎を舞台にしているが、長崎の中ノ島は無人島で、とても男女の恋愛の場にはなりようがない。たぶんイメージで作ったのであろうが、歌詞をよく読むと、決して地名を結びつけているわけではない。「あゝ ここは長崎 中の島ブルースよ」とあって、その場所で中の島ブルースを奏でている、という情景ではないだろうか。
 作詞は斎藤保、作曲は吉田佐とあるが、二人ともネット上に情報はない。炭鉱で働いていた当時の音楽仲間であったかもしれない。歌はわりと難しい。前川清はけっこうメリハリのある歌い方をしており、この歌に込められた感情とはちょっと違うなあ、という気で聴いている。演歌風ではなく、バラード調でもいいのかな、と思って、たまに歌ってみるのだが、まだしっくりはしていない。どうせ練習して歌うなら、メジャーの歌手とは違った味を出したい、というのが私の背伸びした願いである。

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