悪い夏 | 知らずに死ねぬ程のものではない

知らずに死ねぬ程のものではない

元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

今月の映画の日。MOVIX広島駅で『悪い夏』を観た。

 

 

 

藤井道人監督と横浜流星主演で2024年映画化され公開されたことが記憶に新しい「正体」の染井為人による同名小説が原作。『リンダ リンダ リンダ』(2005)の向井康介が脚色して、『アルプススタンドのはしの方』(2020)の城定秀夫監督が撮った。

 

とにかくクセが強過ぎる反社丸出しな輩かクズ野郎ばかりが出てきて、共感至上主義な風潮に対し中指を立てて挑発しているような作品であった。

 

本作では生真面目な筈の北村匠海演じる生活福祉課勤務の主人公が、クズ共に散々振り回された結果徐々にヤミオチして行く。北村はこういう振り回されキャラが本当によく似合う。本来気の毒な存在である筈の木南晴夏演じるシングルマザーもまた、あることをヤラかしたことで結果的に自身を追い詰めてしまう。スッピンでくたびれきった中年女性を演じる木南の虚ろな表情が印象深い。この2人が全く悪過ぎるタイミングで顔を合わせてしまうシーンが本作の中で一番凄まじかった。イマ風にいえば、地獄の極致だな。

 

河合優実が北村を誘惑するヤバイヒロインを毒気と色気を醸し出しながら好演。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したことでこれからもっと注目されて行くだろうが、マスゴミに見つかり過ぎるとおかしなヘイト記事が出るようになるんだよね。尖った持ち味は無くして欲しくないなと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近見た映画はこれ

 

Ameba映画部