PERFECT DAYS | 知らずに死ねぬ程のものではない

知らずに死ねぬ程のものではない

元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

年末の話題になるが、イオンシネマ広島西風新都で『PERFECT DAYS』を2023年の観納めとして、大晦日前日に観た。

 

 

 

『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ヴェンダース監督が東京を舞台に撮った最新作。

 

ヴェンダース監督は以前も『ベルリン~』、『夢の涯てまでも』、『東京画』(未見)で東京をロケしたことがあったが、本作はオール東京ロケ、主要キャストも日本人で製作されていて、プロデューサーも日本人なので、ヴェンダース監督が日本映画に招かれて撮った形なのだろう。

 

東京の各公園の公衆トイレを掃除する仕事に従事している役所広司(兼エグゼクティブ・プロデューサー)演じる初老の清掃夫・平山の徹底してルーティンにこだわった日常生活をひたすら追っていて、密着ドキュメンタリー風であった。

 

平山はお昼タイムは木漏れ日をフィルムカメラで撮り(それもカラーでなく白黒)、連絡する時もスマホでなくガラケー、清掃現場に向かう車の中で聴くカーオーディオのソフトはカセットテープと、平山のアイテムはアナクロなものばかりだが、そこに却って平山の独自性のあるセンスが感じられて、なんだかカッコ良かった。本作自体もその平山のアナクロなこだわりに寄り添う形でスタンダードサイズ撮りであった。

 

それにしても平山が掃除する公衆トイレがどれもこれもデザイナーの自己主張が強過ぎる無闇にスタイリッシュな作りで、これをアナクロな平山が掃除している様が面白い。

 

平山のルーティンを無邪気に揺さぶる存在として姪の少女・ニコが登場するが、二コ役を演じた中村有紗が可愛かった。平山とニコが交流する場面はホッコリするところはあったけど、その際に出てきた「今度は今度、今は今」のセリフは些かCMのコピー臭かったな。まあ、本作のプロデュースと共同脚本に関わった高崎卓馬は電通の方ですからね。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

最近見た映画はこれ

 

Ameba映画部