ラストムービー | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

昨日、横川シネマに足を運んだ。

 

緊急事態宣言によって映画館やシネコンがしばらく休館していたので、それが解除されたことでようやくスクリーンで映画が観れるようになった。館内の座席は使用不可の紙が所々貼ってあり、ソーシャルディスタンスが徹底されていた。

 

今回観たのは、今年没後10年を迎えるデニス・ホッパーが監督・主演した伝説的映画『ラストムービー』。

 

 

この映画、高校時代にビデオレンタルで一度観たことがあったけど、やっぱりスクリーンで観たいと前々から思っていたので、まさに念願であった。

 

デニスが監督デビュー作だった『イージー☆ライダー』の大ヒットを受けて再びメガホンを取った作品なんだけど、完成した作品をめぐって製作会社側と色々揉めに揉めて、映画自体も興行的に失敗してしまい、その結果ハリウッドから長らく干されたといういわく付き。

 

フィクションと現実がグルグルしまくった、説明過多な映画に慣れ切った者からみれば、「何じゃこれ、ワケ分からん」となること確実な独創的過ぎる作風だ。

 

西部劇映画の撮影で南米に来ていたデニス演じるスタントマンは、クランクアップしても帰ることなくそのまま居つく。虚構だらけのハリウッドに嫌気がさしていたデニスはここで自由気ままに過ごそうとするが色々とウマく行かない。そして映画撮影の風景を見て影響を受けた現地の村人達が、なんと映画撮影をモチーフにした“死の儀式”を始めていて、デニスがこの儀式の生贄に選ばれてしまう。まあ、そういう内容だったな。それにしても、冒頭に登場した下ネタ全開の歌を歌うオッサンがやけに印象深かった。

 

率直に云えば、デニスの監督としての才気が勢い余った感はあった。とはいえ、自由をひたすら求めてバイクで南へと向かって疾走した前作『イージー☆ライダー』とハリウッドに背を向けて南米で新たな生活をしようとした『ラストムービー』は共通するものがあり、いずれもバッドエンド。

 

『ラストムービー』をスクリーンで観ることが出来てよかった。こうなると、もう1本の劇場未公開の監督作『アウト・オヴ・ブルー』も是非スクリーンにかけて欲しいな。個人的にも好きなデニス監督作品なので。

 

 

 

 

 

 

 

 

実はデニス。日本のCMに出演したことがありました。それもツムラ。

 

キング・オブ・カルトとまで呼ばれたデニスが、バスタブでアヒル人形とたわむれる光景はほっこりしたものだ。