朝劇「朝が起きたら」。 | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

今朝、十日市アパートというユニークなネーミングのカフェ&BARで開催された、朝食食べながら劇を愉しむ朝劇という一風変わった趣向の演劇公演に行ってきた。

会場となる十日市アパートに向かう途中で通り過ぎたのが、



あの世界遺産、原爆ドーム。

明日平和記念公園でG7外相サミットがあるため、朝っぱらから厳重な警備体制であった。画像の奧をよく見ると、警察バスが停まってます。




十日市アパートに着いた。

ただ早く来過ぎたため開場までまだ1時間だったので、一旦周辺をブラブラした。




やっと開場の朝8時半になったので、入った。

入ってみてまず思ったのは、芝居をやるにはお世辞にも広くない会場だな、と。メインステージらしきテーブルと椅子が真ん中にある程度で、パンフレットが置かれている椅子がどうやら客席のようだ。

僕が座った席のすぐ傍では、椅子の上で爆睡する男がいた。開場前から椅子の上で寝転がっていたような。

やがて男はあの真ん中のテーブルと椅子の方へ行き、ここでまた寝始めた。その後、常連客の青年が男を起こしに来た。実はここから芝居が本格的に開演。つまりずっと寝ていた男と起こしに来た青年は、朝劇の出演役者であったのだ。男は喫茶店の店主という役柄らしい。それにしても店主役の役者さんは、開場からずっと寝ている演技をしていたのか。尤もカーテンコール後の交流会で店主役の役者さんに「マジ寝しませんでしたか?」と訊いたところ、「ちょっとね(笑)」と返答してました。やっぱりね。

登場人物はノンビリしたカンジの店主(宮原将護)、喫茶店にやって来た思いつめた表情でひたすらパソコンを打つ謎の女(関森絵美。広島出身)、昨日広島から来たばかりの女の子(福永マリカ)、その女の子とイイ感じになっている常連客の青年(山岡竜弘)、宅配業者の男(今村裕次郎。広島出身)の5人で繰り広げるやり取りにはクスリとさせられたし、喫茶店内全体がステージとなっていて、演者と観客の距離感がないどころか境界すらも曖昧にしているので、彼等の世界に巻き込まれかねない、プロレスの場外乱闘のようなスリルさを感じたな。

謎の女役を演じたのは、関森絵美。実はアクターズスクール広島一期生で、Perfumeとまなみのりさの真ん中の岡山みのりとは同期である。10年前から上京し、地道に女優活動していて、今回が念願の凱旋公演であった。

そして作・演出を手がけ、広島に来た女の子役で出演していたのが、福永マリカ。

福永マリカといえば、かつてアイドル活動していた頃ブログの文章センスに目を付けた丹羽多聞アンドリウに薦められ、16歳の若さで『東京少女岡本杏理』の1エピソード「家出のススメ。」(若松孝二監督)で脚本家デビューして話題になったことがあったな。

初めて生姿を見たが、可愛らしい女の子だなと思った。でも今回上演した「朝が起きたら」パンフでの福永マリカのコメントを読むと、想像力豊かな面白い表現していて、そういうところに丹羽さんが惚れ込んだのか、と。

交流会では主演のみならず全4エピソードの脚本も手がけた『東京少女福永マリカ』のことを訊きました。やはり大変だったようで、「まだ(脚本の)技術がまだなかったので、10代当時の感性で書いてました」みたいなことを仰って、と振り返ってました。因みにこの朝劇広島が、福永マリカの演出家デビューとのこと。

劇が終わった後も関森絵美のステージがあり、これまた愉しかったな。




これが朝食。美味しく戴きました。




『東京少女福永マリカ』の頃の福永マリカ。