白ゆき姫殺人事件。 | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。




昨日、109シネマズ広島で『白ゆき姫殺人事件』を観た。

あの中島哲也監督『告白』の原作者である湊かなえによる同名小説を映画化したものだ。

ミステリーゆえネタバレしちゃいけないので、なるべく慎重に魅力を伝えるとすれば、ワイドショーによる御都合主義的捏造、ネットによる人格攻撃と晒しという名のプライバシー侵害という、メディアの暴力に井上真央演じる一人の女性が貶められて行く様が描かれていて、これも自分に身にも降りかかる可能性があることだし、または無自覚の内にそういう暴力に加担してしまっている可能性だってある。

僕がこの映画で注目したのは、井上の幼少期エピソード。

彼女が通っていた小学校の教室内で担任の女教師が登場するのだが、この女教師がヘラヘラしていて無能で、一人の児童の人格を無自覚に傷つけたり、イジメにまんまと利用されていた。そういや、僕の通っていた学校にもこんなダメ教師がいたな。

教師の言動もまた、教室内のメディアとして影響力を持ち、何気ない一言で児童の将来を時に左右することだってあるのだ。

こういう教師というメディア機能にもちゃんと目を向けていたのは、原作者の湊が元非常勤教師だったからこそだな。

湊が初めて脚本を手がけたTVドラマ『高校入試』も、教師達の生態をクールかつ滑稽に描いていたな。

ただ『告白』がスゴ過ぎたからね。

まあ、普通に面白い映画だと思う。