オリバー・ストーン。 | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

昨日、広島のゲバントホールにてこういうイベントがあった。


知らずに死ねぬ程のものではない


あのオリバー・ストーン監督を広島に招いた上映&トークイベントである。

これは滅多にないことなので、僕は数日前に早速申し込み、参加しました。

会場内はハリウッドの大物監督が来るとあって、大入り。客席はアメリカ人、中国人他様々な国籍に溢れ、僕が今まで行ってきたイベントの中では一番国際色豊かかも知れない。

ただ主催していたのが如何にも左グルグル巻きな運動グループ関係で、配られたチラシも反原発やら慰安婦やらといった単語が目に付いた。

最初にオリバー・ストーン監督によるTVドキュメンタリー作品『もうひとつのアメリカ史』から「原爆投下」の章が上映された。

これは原爆投下以前以後の日米双方の事情が結構冷静に分析されていて、意識は高いけど扇動性が露骨過ぎるマイケル・ムーア監督よりは好感が持てた。

続いて、お待ちかねのオリバー・ストーン監督と、ドキュメンタリーの共同製作者であるピーター・カズニック氏を迎えてのトークがあった。テーマは、「アメリカの世界支配と日米安保」。

アメリカが原爆投下を正当化し続けるのは、他国は侵攻するものでアメリカはそれを食い止める正義の国という神話を守るためだとか(勿論大嘘ではあるがね)、非戦闘員達を狙い撃ちした空襲爆撃や原爆は虐殺行為だとか、日本は米ソ冷戦に巻き込まれた被害者だとか興味深い解釈が飛び出し、更にO・ストーン監督は一緒にランチした被爆者から原爆投下直前まではソ連が脅威的な存在でアメリカの原爆は想定外だったという証言を聞いたとぷっちゃけていた。

ここまではよかったのだが、途中からコーディネーターの田中利幸氏が日本の加害面を云い出したところから、いつの間にかアメリカの世界支配に関するテーマそっちのけで、あとは従軍慰安婦問題だの南京大虐殺だのと加害者意識史観のオンパレードと化した。

おいおいTPPとかアメリカの支配欲に関して色々語るべきことがあるだろうと突っ込みたくなったものだ。

P・カズニック氏はナポレオンの格言を引用して、「歴史は勝者の嘘の集合体」と云ったところ、田中氏がこれまた「敗者も嘘をつく」とまた自国糾弾に引き戻す。田中氏は更に失言した麻生太郎副総理を「バカ呼ばわり」する等、お得意の英語も駆使しながら云いたい放題。

正直、安倍晋三第二次政権にはイイ印象を持ってないけど、政治家の悪口をまくし立てることへの陶酔感が見え見えの田中氏はかなり感じ悪過ぎ。ここまで来れば、権力者への逆差別だなと思ったね。

僕に云わせれば、加害者意識史観もまた歪みきった神話に過ぎない。当然ながら田中氏等の口から中国・韓国による捏造に捏造を重ねた被害者意識史観神話には一切突っ込みは出ないし、尖閣諸島や竹島への不法入国行為に対しても沈黙。滑稽極まりないけど、田中氏等運動グループにとって加害者意識史観という神話なくしては自身の存在意義が揺らぐのだ。

広島の暑さにやられたのか、イベント中のO・ストーン監督はグッタリ気味であった。それに乗じて、通訳のネエちゃんにちゃっかりもたれかかっていたな。傍から見ると、単なるエロオヤジのセクハラである(笑)。

これは余談であるが、僕の隣にはパンツスーツのキレイな女性が座っていた。だがよく見ると腕章があり、あの沖縄タイムスと共に悪名高き琉球新報の記者であった。


知らずに死ねぬ程のものではない
トークイベントの風景。左から2番目がオリバー・ストーン監督。


知らずに死ねぬ程のものではない
こちらはオリバー・ストーン監督デビュー作『邪悪の女王』のビデオパッケージ。B級ホラー映画だった。