宮崎県に到着して,まず県内の古墳分布図を調べてみました.

 

(C) 宮崎市教育委員会

 

宮崎県には,南九州独自の地下式横穴墓(後述)を含めて,約3,600基の古墳があるようです.

そして この図からわかるように,多くは県中部の宮崎市及びその北方に集中しています.

まずこの分布に驚きました. これらの古墳を見にいく前に 地図と見比べたのですが,ほぼすべてが平地ではなく,高台の上にあります.

 

(C) 宮崎県

 

等高線からわかる通り,多くの古墳が川と川に挟まれた台地の周縁部にびっしりと並んでいます.

これは奈良の古墳とは正反対です.奈良の古墳はほとんど平地にあります. たしかに奈良にも山の尾根を削り出して築造した桜井茶臼山古墳 などがありますが,古墳群と呼べるほどに集中したものはありません.この方法では原理的に多数の古墳は作れないからです.

 

シラス台地

このような宮崎県独自の古墳分布には地理的理由があるようです.

2万9千年前に大爆発した姶良カルデラの火山灰が降り積もったシラス台地は最大厚100mにもなりました.
その後 河川の浸食が進み,河原の平地とテーブル状の広い台地が残ったのです.

 

 

なぜこのシラス台地の上だけに古墳を造ったのでしょうか?

 

[続く]