昔 仕事で知り合った米国人男性から,先方の別荘の庭のバーベキューパーティの際の写真がメール添付で送られてきました.
私と先方の家族が映っています.
これが私の最後の米国出張となりましたが,もう3年前のことになりました.
日本と米国との往復,これを何度やっても慣れないのは,米国の空港に降り立った瞬間,まるで巨人国に来たかと思う程の 圧倒的な体格差です.
そして成田空港に戻り,帰路の東京都心では 行きかう人がみなやせ細ってみえます.
ですので,送られてきたこの写真では,私はまるでガリガリに痩せているかのような錯覚を起こします.私は BMI=22付近なのでそれほど痩せていないのですけどね.
現在 米国人の三人に二人は BMI=25以上の過体重[※],さらに三人に一人はBMI=30以上の肥満[※]だそうです. しかし,それは米国人全体の平均であって,都市部に限れば おそらく ほとんどの人はBMIが30を越えていると思います.
[※]日本では BMI=25以上を『肥満』としていますが,WHO基準では肥満の定義は BMI=30以上です.
米国人は,特にエリート層の米国人は,ある日突然『ウッ!』と胸を押さえて そのまま帰らぬ人となる心疾患を非常に恐れています.
米国では,肥満と心疾患と糖尿病とは ほぼ同義語です.
したがって 彼らは肥満解消のためなら ものすごいエネルギーをかけます.
私も一度 彼が毎晩通っているというフィットネスジムに付き合ってみましたが,バーベルやら自転車やら,ランニングマシンやらをものすごい勢いで次々とこなしていきます. いやもう そんなに激しくやったら,かえって心臓に悪いんじゃないかと思う程.
高学歴の米国人ほどVegetarian/Veganに熱心なのも,あの肥満ぶりをみれば納得できます.
ブログ本館でとりあげた 糖尿病新薬『イメグリミン』は,日本で真っ先に発売されました.
糖尿病に限らず,今までのほぼすべての医薬は,欧米で開発され,欧米で治験が行われ,そのデータを基に欧米で承認されたものが,さらに何年か遅れて日本で発売されるのが通例でした.
ですから,糖尿病や高血圧など いわゆる『生活習慣病』の薬は,あの巨大な体格の欧米人でデータがとられたものなのです.もちろん,日本で処方薬として承認されるためには あらためて日本人を対象にした治験が行われますが,結局は白人のデータが基礎になっています.
ところが,イメグリミンは 日本人患者での治験データが基礎になっている,おそらく初めてのケースです.その点でも,今後 注目していきたいと思います.