現在の女子栄養大学の創立者 香川 綾(かがわ あや) 博士は,日本栄養学の祖と思っています.偉大な先駆者です.

香川綾 博士の生い立ちと業績は女子栄養大学のHPの『創立者 香川綾物語』 にまとめられています.

 

まだ栄養学という概念すらない時代,脚気や栄養失調で亡くなったり病気になったりする人を見て,栄養が人の健康を左右することを示したのです. 更に 料理に『数値管理・定量化の概念』,つまり 今 普通に使われている計量カップ・計量スプーンの発明・カロリーや栄養素の計算も,すべて香川博士の業績です.

 


(C) kimtoruさん

 

日本では,料理とは,掃除・洗濯・裁縫などと並んで『主婦の家事の一部』と考えられてきました. しかし,栄養学として独立して考えるべきだと提唱したのは,香川博士自身が医師であったからです.

計量カップ・軽量スプーンがあまりに有名なので,香川博士は『料理を数字だけで見る人』ととらえる人もいますが,全然逆です. 博士の著書『栄養学と私の半生記』ではこう述べています.
 

ただ機械的に量だけ計って作ってみても、献立作りから食事の時の雰囲気まで、あらゆる過程に心が行き届いていなければ、おいしい料理も健康づくりもできるものではありません。そこに食生活の難しさやたいせつさがあります。

 


たしかに,この二つの冷やし中華は,栄養学的には同じものです.

簡単に冷やし中華でいいよ
(C) @nimaimo27

 

冷やし中華
(C) ヘンリー3世さん

 

しかし,料理と呼べるのは下の方だけでしょう.