三人姉妹 | 立川志らくのブログ

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今度BSの番組で青山真治監督と演出家の三浦基さんとご一緒する。その為三浦さんが演出をするチェーホフの三人姉妹を神奈川芸術劇場に観に行った。想像を越えた圧倒される芝居だった。前衛的ではないと三浦氏はパンフレットに書いていたが、普通の芝居からすると凄まじい前衛芸術。私はその手の作品は大嫌い。しかし考えをあらためさせられた。ここまで凄いと感動、いややはり圧倒というべきか。多分三人姉妹の筋を知らないと全く何が起きているかわからないであろう。それでもかまわない。凄いものは凄い。そのくらいは誰でもわかる。オープニング、登場人物が全員這ってくる。そしてみんなが喋りながら力任せで絡みまくる。わけがわからない。日本語も変なところにアクセントをつけたり、変なところで区切って喋る。絶叫しまくる。最初から最後までそれが続く。狭い舞台が途中10倍くらいに広がり、全員が四つん這いで無尽蔵に這う。中には飛びながら転がり叫ぶ。舞台の窓を力任せに叩く。でもこれの全てにチェーホフの三人姉妹の台詞が入ってくる。言葉では説明出来ない。とにかく凄い。狂っている。私の芝居の台本を読んでわかりづらいと良く言われる
が、レベルが違う。わからなくてもかまわない。わかるなんて実にちっぽけなことのような気すらする。まあ私の芝居とは対極にある。収録が楽しみだ。どうしてこんな発想になるのか。じっくり話を聞こう。ひとつ私と感覚が似ている部分があった。それは音楽。ショスタコービチのセカンドワルツを使用していた。実は下町ダニーローズで公演したせんきの虫。あれはベースが三人姉妹。その時使用した音楽がフランス映画の暗黒街のメロディ。これとセカンドワルツが実に似ているのだ。志らくも三浦基さんも三人姉妹で似たようなメロディが浮かんだのだ。
余談だが次回のダニーローズ公演、真景累ケ淵殺人事件、アルビノーニのアダージョを使用する予定だったが、ショスタコービチのセカンドワルツを使うことにした。この芝居にぴったりなのだ。
これも余談だが、アンドレ・リュウ指揮のショスタコービチのセカンドワルツの演奏を聴いて頂きたい。YouTubeにある。コンサート会場がまるでダンスホールのようになる。凄まじい演奏だ。マイナー調なのに楽しい。必見。三浦基演出の三人姉妹も必見。