コスモ石油のチェーンメールは二重の意味で考えさせられました。
ひとつは、チェーンメールの罪は、その内容よりもかける迷惑の大きさ
にあるということ。
特に、今回は世の中の混乱に乗じて行われたわけですから、マイナスの
影響力は平常時の比ではないと思います。
・受信した人々に与える心理的ストレス。
・該当する地域の人々が感じる恐怖感。
・素直にチェーンメールをたくさん送ってしまった人たちの時間と労力のロス。
・多くの友人たちからチェーンメールを受け取ってしまった人の困惑。
そこで、無視すればよいが、それにいちいち返信していたら、さらなる
時間と労力のロス。
・偽の情報を真に受けた人々からの問い合わせに対応する、会社や
担当省庁のスタッフの時間と労力のロス。
・また、深読みすれば、こうした情報操作(風評の流布)が株価の操作に
つながることだってありえるでしょう。(映画ウォールストリートでは、金融業界
内部の噂によって一つの会社がつぶされていく様子が描かれていました。)
こうした迷惑の大きさを考えると、友達から気軽に 「広めてください」
と言われても、対応するわけにはいきませんよね。
もうひとつは、公式機関からの発表をそのまま鵜呑みにすることのよしあし。
コスモ石油の炎上事故に対する公式機関からの発表では、「100%安全」と
言い切っていました。たしかに、取り扱い物質は毒性のないものであるとして
も、タンクやその周りの建物などが炎上している付近にもしもいたら、たぶん
強烈な刺激臭がするでしょうし、黒い煤煙も舞うでしょう。
燃えているのは、タンク内の物質だけではなく、タンクそのものでもあります。
普通の住宅の火災であっても、建材から出るガスだけで、それを吸ったら
十数秒で人は亡くなるのです。(私の父の死因はこれでした。)
タンクを作っている素材の燃えたものまでが人体に無害とは言い切れません。
そうしたものが溶け込んだ雨を、自分から進んで浴びたいという人はいない
はず。猛毒ではないにしても、まったくの無害とはいいきれないのではないか…
と思うのです。
ですから、今回の一件、私にとっては、
「チェーンメール最初の発信者を悪いとは思うが、内容に関しては、ちょっと
グレーゾーン」 と思える事件でした。
P.S.「施設の適用法規では、毒性ガス又は毒物及び劇物に該当せず、
毒物及び劇物取締法の規定に該当する物質でもない。」 という表現がね、
毒性化粧品の成分表示のされ方に似ているので、ちょっと懐疑的な私なのです。
噂は流さなくていいけど、自分と家族の身は自分たちで守らねば…ね('-^*)/