こんにちは、白川葵です
早いもので、もう節分 ですね。
今日は節分に、青鬼 赤鬼 が、豆 にあてられながら、右往左往する由来についてです。
節分などの日本の伝統行事は、古代中国の思想である陰陽五行説(万物を陰陽と木火土金水の五行に分けた思想)の流れを受けているものが多いです。
節分の青鬼 、赤鬼 の色も五行説から来ています。
五行説を色彩で分類すると、青は五行でいうと木性、方向は東です。赤は火性で、方向は南です。そして、その鬼達に、「鬼は外、幅は内」のかけ声と共に投げつけるのは豆 です。豆は黄色をしており、五行の方向では中央です。
つまり、この行動は、黄色が青と赤を攻撃して、退治する形になっているのです。
(もともと大豆は、鬼へのおみやげとも言われています)
陰陽道では、人間の肉体は東で生まれ、死んで西で終わるとしています。又、人間の精神は南で生まれ、死んで北に行くとされています。
青と赤には、「若さ」があるのです
そして、青(東)は、未来に向かって、こうしてしまおうと現実に動き出す場所です。赤(南)は、ああしたい、こうしたいと思う夢(想念)の場所です。
これは、青鬼 と赤鬼 が協力し合うことで、夢がおさえきれずに膨らみ、行動が猛スピードを出して、欲望が満たされるようにと突っ張っている状態です。立春を迎える前に、寒い冬をじっと耐えて、今か今かと飛び出そうという気持ちになっているわけです。
こうした焦っている状態では、一度に何でもかんでもやり過ぎて、物事が失敗しやすいです
そこで、登場するのが黄色の豆 です。黄色は中央をあらわし、東西南北の中心でバランスをとっている場所です。つまり、中庸の色なのです。
この黄色が、夢を追い過ぎる赤の心と、現実面でスピードを出し過ぎる青の心を抑えて、中庸を呼び込む働きをするのです。
これは、あくまでも人間の内面を外側で表現するために、青鬼 、赤鬼 となっているのです。そして、鬼達を退治した後は、自分の年齢分だけ、中庸のシンボルである豆を食べて、心の中の鬼を追い出していくわけです。
鬼とは、人間の執着心のことです。
執着心のない人間はおらず、こだわりがあるから生きていけるのですが、執着が強すぎると心が固まってしまいます。執着が強い人間がそのまま亡くなると、その残存している気の固まりが周囲に様々な影響を及ぼすことになるのです