今回はジャンガリアンハムスターの症例です。
主訴として、体をかゆがる、毛が抜けている、皮膚が赤い、皮膚がべたついているなどが多いです。
こんな外観です
誤診される可能性として、アレルギー性皮膚炎があります。
細胞診では白血球が認められるため、細菌性皮膚炎を疑う臨床所見が得られます。
ポイントでまとめます。
ポイント1、そこまでアレルギー性皮膚炎は多くない
ウッドチップなどを使用していると、ジャンガリアンハムスターがアレルギー性皮膚炎などを起こすのではないかという考えがいまだに根強く残っていますが、最近はアレルギー反応を起こす可能性が少ない木種を使用していたり、熱処理されていたりするので、実際にアレルギー性皮膚炎と出会う機会は多くありません。
ポイント2、ほかの皮膚疾患は細胞診や抜毛検査、wood灯検査でしっかりと除外
見た目で予想はしますが、確定にはいくつかの検査を行ってたどり着きます。
ポイント3、抗生剤を使用するときには、整腸剤も使用
すごく大雑把にまとめると、
肉食〉雑食〉草食 の順に抗生剤に対して弱いです。(草食が最も弱い)
ジャンガリアンハムスターは雑食に分類されますので、抗生剤の種類によっては副作用を強く出してしまいます。
副作用を出しにくい抗生剤を選択するか、整腸剤を併用して副作用を起こさない、もしくは軽減させてあげないと、薬の副作用のほうで弱ってしまいます。
エキゾチックアニマル全般として、犬猫と比較して弱い生き物がほとんどなので、速やかな診断と治療、副作用を出さない治療が求められますので、異変に気付いた場合には、より速やかに動物病院へご相談ください
病院紹介
志津・佐倉しらい動物病院は千葉県佐倉市にある動物病院です。
佐倉市中志津に本院、佐倉市大崎台に分院があります。
日本動物病院協会(JAHA)認定病院、内科・総合臨床認定医在籍の動物病院です。
診療対象動物として、犬猫以外にも、鳥類・小型げっ歯類・小型哺乳類・両生類・爬虫類など幅広く診療しています。