こんにちは、獣医師の白井顕治です。
抗生剤の内服でよく起こる副作用を記載していきます。
基本的には消化器症状です。下記に書いていきます。
1、嘔吐
文字通り、食べたものを吐いてしまいます。薬を飲んだ直後であれば、薬自体の副作用というより、飲ませ方が上手でなくて、口の中に薬剤が長く滞在したことによる鵜反射的な嘔吐の可能性もあります。
内服してから、明確な基準はありませんが、30分以上経過してからの嘔吐の場合は薬剤を吸収し、吸収した薬剤に対する反応の嘔吐と考えています。
嘔吐してしまった場合は、その時間や症状、繰り返し方によって、投薬がうまくいっていなかったのか、薬が体に合わなかったのかを考えていきます。
2、下痢
便が緩くなる可能性があります。また、においや色が変わる可能性もあります。これに関しては、やや柔らかいくらいの副作用であれば、そのまま様子を見てよいと考えています。
水様便になってしまうようであれば、ほかの薬に変えたり、さらに整腸剤や下痢止めを併用して飲み続けることもあるかもしれません。
ただ、私としては薬の副作用を薬で止めるというのはあまり好きではないので、ほかの副作用の出ない薬を探すほうを選択してしまっています。
前も話しましたが、私自身がよく副作用を起こすので思ってしまうのですが、副作用を無理やり薬で止めたところで、なんかこう、言いようのない不快感は結局残るんですよね。
吐きたいんだけど、無理やり薬で吐くのだけは止められてるけど、気持ち悪いのは続いてるとか、下痢は止まったんだけど、腹痛は続いてるとか。
3、食欲低下
これもよく起きます。1、2の副作用とも関連します。
これも、程度問題で、
「結局はいつも通りの量は食べるんだけど、食べる速度が少し遅い」くらいであれば、自分としてはそのまま内服継続を選択することが多いと思います。
「ご飯を食べる量がいつもの半分以下」、「まったく食べなくなってしまった」は、薬を中止して体調がよくなっあとにほかの薬を選択したほうが良いと感じます。
4,そのほか
ほかについては、1~3の症状が少しだけ関与していると思いますが、
呼吸が荒い
寝ている時間が長い
ぼーっとしている
落ち着きがない
などがあるように感じます。
まれな副作用については、前回同様、記載しません。
抗生剤は動物病院でもとても処方することが多い薬なので、注意して使用していきたいですね。
病院紹介
志津・佐倉しらい動物病院は千葉県佐倉市にある動物病院です。
佐倉市中志津に本院、佐倉市大崎台に分院があります。
日本動物病院協会(JAHA)認定病院、内科・総合臨床認定医在籍の動物病院です。
診療対象動物として、犬猫以外にも、鳥類・小型げっ歯類・小型哺乳類・両生類・爬虫類など幅広く診療しています。