潰瘍性大腸炎のIBD clinical conference seminarでパネリストとして参加しました。会場のIBD専門の先生方やWEBで視聴してる先生方と議論をしながら多くの考えや経験を聞くことができとても勉強になりました。





IBDとは潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患で2015年の統計では潰瘍性大腸炎は22万人でさらに増加傾向にあります。潰瘍性大腸炎の治療は新薬が年々承認され多様化、複雑化し治療指針も毎年改訂されています。当院はIBD専門施設ではありませんので近隣の専門施設と連携をとりながら色々とご指導頂きながら地域でIBDを診る意識です。当院の役割はIBDの正確な診断、軽症症例の寛解導入、寛解維持療法のfollow(投薬や内視鏡検査など)です。専門施設の先生と同じ知識、知見を共有し当院でできる治療のブラッシュアップをしながら質の高い治療を提供したいと思います。


今回は日本て開発された潰瘍性大腸炎の寛解導入に有効な新薬カログラ錠について詳しく議論しました。従来であれば寛解導入が出来なかった症例はステロイド投与になりますがカログラ錠はステロイドの前に(代わりに)投与でき効果も期待できます。ステロイド(高容量3040mg)の方が効果はありますが深刻な副作用が懸念されます。しかしカログラ錠はステロイドのような副作用が無く安心して投与できます。カログラは約8週目が効果発現ピーク、最大投与24週、再投与可能(休薬8週)、妊婦さん禁忌、BIOJAK併用禁忌、寛解維持では投与不可など制約もあります。


将来的に炎症性腸疾患の治療はサイトカインプロファイルに沿って個別化、標準化される事になるようです。しかし現状ではこの多様化、複雑化した治療指針に沿ってエビデンスのある治療を提供しなければならないです。しっかり最新治療指針や知見を勉強し経験ある専門の先生方に御指導頂きながら当院でできるIBD治療を患者さんのために頑張っていきます。