第19回内痔核治療法研究会で発表しました。この研究会は内痔核治療を施行している全国の専門施設の研究会です。痔核学会の甲子園みたいな感じです!
今日は全国のハイボリュームセンターの講演を一日中勉強させて頂きました。今回はALTA治療における重篤な合併症とその治療、他院のALTA治療の工夫、他院のALTA治療の成績を学びました。当院もALTA治療の成績、工夫を発表しました。今回は良性疾患の痔核に対してしっかり治す治療も大事ですが、無理に根治を目指すのでは無く疼痛、生活環境などのQOLを優先した緩和目的の治療もいいのでは?と言う内容でした。多くの議論ができ明日からの診療のモチベーションになりました。結論は痔核はしっかり治すもあり、症状緩和目的もありで全国の専門医の先生方にも共感を得ました😊最終的には患者さんと親身に丁寧に相談しリクエストに応じて悩みを消してあげる事が我々の使命と感じました。研究会の後は肛門科懇親会で普段聞けない悩み相談や疑問をお酒飲みながら熱く熱く語り合いました。研究会より勉強なります(笑)

明日からまた全力で親身に丁寧に頑張ります。









【本日の抄録】


ALTAの長所は簡便で低侵襲であため併用療法ではALTAの長所は十分に活かせない。単独療法において長所が最大限になるため根治性の問題はあるが貴重な治療として注目されるべきであり当院ではALTA単独治療を積極的に施行している

当院では標準術式として根治性を求めて基本的にE1・L・Aとしている(第15回、第16回内痔核治療法研究会総会にて報告)。しかし根治性より様々な要因を優先して術前から姑息的手術として説明しALTA単独療法を施行する事も少なくない2025年の当院痔核手術622例中ALTA単独療法は138例(22.2%)で後方視的カルテ調査では姑息的ALTA単独とインフォームドコンセントしている症例は単独治療中80/138例(57.9%)であった。ALTA単独治療を姑息的治療に応用とする事は恥ずべき事ではないと考え今回姑息的ALTA治療について報告する。

痔核患者は病状の進行に伴いさまざまな症状を呈し身体的苦痛のみならず精神的・社会的苦痛を伴うためその原因を除去することが痔核を形態的に根治する事と同様に重要と考える。姑息的なALTA単独療法としては①痔核の形態的な側面:外痔核成分が大きく切除(E)が必要な症例であっても疼痛不安許容できない、訴えが内痔核による症状のみの場合②社会的な側面:安静ができない、時間がない、仕事が多忙で休めないなどの場合③全身状態からの側面:高齢者・癌の終末期・抗血栓薬休薬困難な場合である。姑息的な単独療法であるが手術は必ず麻酔下(当院では仙骨硬膜外麻酔)にてZ式肛門鏡で4段階法に準じて施行している。姑息的な治療であるからこそ術中麻酔下診断(Examination Under Anesthesia: EUA)が重要であり術後の経過観察、再発時のstrategyに不可欠である。

姑息的なALTA治療は当然再発率が高くなることが予想される。しかし、患者の満足度は高く、当院では出血や疼痛などの症状の再燃や形態的に再発を認めても積極的に外科治療を希望する症例は少なく外用薬による保存的加療による対症療法が多かった。その理由はQOLが大幅に改善したため、治療目標を患者医師間で共有しそれを実践できたためと推測できる。姑息的であってもALTA単独治療をしっかり施行すれ観察期間短く議論はあるものの患者の満足度は高い。姑息的なALTA治療の術後は十分な問診と術中EUAによる正しい病態の把握、年齢や精神・心理面・社会的側面など様々な因子を考慮しインフォームドコンセントを行い患者の訴えやリクエストに応じる丁寧に姿勢が大事である。

今後、姑息的であってもALTAの長所を活かした単独治療の適応・位置付けの議論が必要でありコンセンサスの形成が必要であるさらに簡便なALTA単独治療であるからこそcommon diseaseである痔核に対して一定の修練を積んだ非専門医・内科医でも積極的にできる環境つくりも本研究体の責務と考え期待したい。