今日は切らない痔核治療のALTA硬化療法の内痔核治療法研究会でした。全国の痔核の専門家に混じり当院の痔核硬化療法の適応、手技、こだわりを発表して来ました😊当院のイメージカラー緑の勝負ネクタイで💪


ALTA治療は切らないで痔が治せる画期的な治療で痔の治療にパラダイムシフトを起こしました。しかし万能な治療ではなく外痔核には適応が無く(ALTA併用療法になります)、また一定の合併症の報告もあります。痔の形態(静脈瘤型か粘膜脱型か?、周囲組織の強さなど)や患者さんの希望や生活歴など総合的に判断となります。


当院は静脈瘤型、周囲組織のしっかりした痔核をALTAの絶対適応とし相対的適応として臨機応変に患者さんと相談してます。


全国の先生方と久しぶりにリモートではなく直接お会いでき嬉しく、モチベーションがかなりUPしました😊


患者さんのリクエストをしっかり確認し患者さん目線で満足して頂けるように痔核治療を追求して行きたいと思います。頑張ります!



今日の抄録です。

【演題名】軽度脱出性内痔核を適応としたALTA単独療法

 【演者】

白畑敦 1)2) 佐藤純人3) 大賀純一4) 小林孝弘5) 桜庭一馬6) 柴﨑優祐2) 奥拓也2) ナナー・ジョージ譲時2) 諸田優介2)  石田康男2) 

 【施設】

1) しらはた胃腸肛門クリニック横浜

2) 横浜旭中央総合病院 消化器外科

3) 聖隷浜松病院 消化器外科

4) 宮崎そらのクリニック

5) 立川駅前こばやし内科・胃と腸内視鏡クリニック

6) 中通総合病院 外科

 【抄録】

当院における単独療法は2021年では4.5% 22/700例)、2022年では6.2% 46/741例)と極端に少なく適応は切除が困難なハイリスク症例や出血性の軽度内痔核(Golliger分類1度)に対して行われていた。ガイドラインの改訂もあり単独療法を積極的に適応とし20231月から3月までの期間で16.5%(42/254)と増加し短期間ではあるが再発や大きな有害事象は無かった。適応は外痔核成分が主訴の症例は併用療法とするが単独療法の結果を想定し患者と共有ができ同意が得られれば単独療法を許容している。また脱出が高度な症例、粘膜脱型内痔核や全周性内痔核に対しては単独療法の効果は不確実でありALTA薬液量が多くなるという理由で確実で簡便な痔核結紮術や分離結紮術、直腸粘膜結紮縫縮術を施行している(またはALTA併用)。そのため当院での単独療法は軽度脱出性内痔核が適応となる。しかし滑脱の程度、支持組織の脆弱程度、個数や範囲により臨機応変に対応するため現状ではある程度のストラテジーはあるものの主観的な適応の側面が大きい。単独療法は確実な診断と処置を目的として仙骨硬膜外麻酔と鎮静剤を原則としている。以前はダブルスリット型肛門鏡を使用していたが2023年からがZ式肛門鏡を使用している。術中は慣れているシャトル型肛門鏡とZ式肛門鏡を頻回に入れ替えながら痔核の個数や位置関係、大きさ、形態を確認し注射部位のシュミレーションを行った後に痔核毎に注射をする。注射後はシャトル型肛門鏡の視野で注射部位の確認後に痔核毎にマッサージをする。単独療法は十分な問診と正しい病態の把握、年齢や精神・心理面・社会的側面、医師のALTA療法の経験や技術など様々な因子を考慮する必要があり決して容易ではない。ALTA療法の最大のメリットである『低侵襲』を十分に生かした単独療法の適応と手技を今後も追求していきたい。