落選作を展示してみるーGuruGuruHouse2014 | 美術作家 白濱雅也の関心事 

美術作家 白濱雅也の関心事 

制作、展覧会、音楽、写真、城などなど
A matter of Shirahama Masaya's concern

落選作と言うのはだいたい恥ずかしいから公表はしない。劣っているとわかってれば無論のこと、こちらの方が優れているだろうと思っていても自分で力説する分には説得力がないだろうから。
第三者には入選作と落選作を比べることはできないから、それは闇の中である。

公募は若い時に随分したけれど、落選の連続で、落ちると言うのはやはり少なからずショックやダメージがあるもので、あるころから公募展を止めようとしてきた。
最近になって作風が変わって来たことや自分の分析力などに少し自信が持てて来たことから再度出してみようかと思いいくつか出してみた。
まあ、これが見事に連敗である。
唯一入選したのは都美館のグループ展セレクション展で作品というよりも展覧会企画である。

入選作を見て、ああなるほど、これは皆素晴しいと選考の結果に納得がいけば、自分の力が足りなかったということになる。そうはならない所が公募の難しさというか面白さでもある。
私自身が評価して選ぶと言うことの難しさを痛感している。公募展と言うのは評価する人間を評価することもできるものでもある。
審査員が何を選んだのか?
選ぶ人によって作品の評価は随分変わるのも確かである。

FACE2014 損保ジャパン美術賞展 落選作品



120号S 160cm四方までのサイズ規定に90cm四方で出すことからして、まあ馬鹿なわけで。
応募時から少し時間を置いて展示してみて、「ああ、これはまだだめだな」というのが自分ではわかった。もう少し手を加えてみようと思うが、それをしたからといって入選したかどうかは怪しい。おそらく私が考えていることと審査員が評価として考えていることは遠く隔たっているのだろう。

ドローイングとかなにか 落選作品



この公募、趣旨はとても面白いし共感もするんだけれど結果的にはマニエリスム的、工芸的、描写的な作品が入選し、趣旨通りの研ぎすまされた線の表現を感じる作品が少ないという点でとても疑問が残った。
私の作品では、画家があるひとつの形態を決定していく過程において、無限の選択肢から一本の線に収斂していく過程も見せることを試みていて、画像では白く見える部分にも多くの線が残されている。形を探るワーキングドローイングの美しさを作品化したものである。
そう言うことも審査員には伝わらなかったらしい。

落選作展示と言うのは、まあ、ばかだなあこいつというのは面白いだろうからやってみたわけです。

展示は3月22日まで。日曜休廊 南越谷 ギャラリ-K
http://www.studiok-web.net/gallery/schedule.html