最終回の今回は、本論文の総括です。

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4 歴史教科書の使命とは? ~まとめにかえて~


 某社の日本史教科書の最終ページ、最後の言葉は次のに締め括られている。

L これからの日本 『(前略)われわれは、先人が何とか困難を切り抜けてきた歴史と精神に学び、  一歩一歩問題を解決していくべきであろう。』

 果たして、執筆者以下、執筆を委託した某社、そして製品化された教科書の発行を認可した文科省の方々は、その言葉の重みをどれだけ噛み締めながら、それぞれの職務に当たったであろうか。周辺諸国の機嫌を伺うために史実を歪め、または隠し、必要以上に陸・海軍、そして自国の歴史を貶めるようなことはしていないだろうか。

 ところで、大東亜戦争で敵軍と戦った陸・海軍将兵には、断罪されるべき愚将もいる。しかし、それ以上に重要なことは、同戦争を通して、軍略の才はもちろん、高貴な人格を有し、後世正当な評価が与えられるべき将兵が数多く輩出した点である。陸軍では、今なおインドネシアで軍政が高く評価されている今村均、捨て身の持久戦で敢闘し、太平洋に散った中川州男と栗林忠道、占守島の戦いでソ連軍に一矢を報いたほか、ナチス・ドイツの迫害から大勢のユダヤ人を救った樋口季一郎、劣勢のノモンハン、インパールで常に戦功を挙げた宮崎繁三郎、部下将兵を助けるために抗命した水上源蔵、海軍ではミッドウェー海戦で一矢を報いた山口多聞、ともに海軍屈指のエースパイロットとして名声を博した坂井三郎と西澤広義、島田叡知事に代わって沖縄県民の敢闘を電報で内地(海軍次官)に伝えた大田実などがその代表であろう。残念ながら、歴史教科書に彼らの名前は一切登場しない。彼らを他の愚将たちと同列に扱い、意図的に掲載を忌避しているとすれば、それは教科書として明らかに適性を欠いていると言わざるを得ない。

  歴史教科書は、自国民に対し、自国や自国の先人たちへの畏敬を促すために編まれるべきであり、決して他国からの要求に屈して修正されるべきものではない。歴史の真実は一つである。歴史教科書の編集・発行に当たって、執筆者・出版社・文科省がそれぞれ公教育を司り、国民の健全なる公民的資質の育成を目指す、極めて重要な任務に就いているという使命感を十二分に自覚した上で、動かぬ史実を正確に記述して欲しい。


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