ウクライナがロシアへ越境攻撃をしたようです。
ウクライナがロシアに越境攻撃、主要ガス施設制圧との情報も クルスク州に非常事態宣言
今まではドローンなどでロシア領域を攻撃していました。今回は、
「ウクライナと国境を接するクルスク州がウクライナ軍の越境攻撃を受けた」
「数百人のウクライナ部隊が6日朝にクルスク州の町スジャ付近の国境を越えた」
「スジャの北東約70キロに位置するクルスク原子力発電所の警備を強化した」
とロシアが発表しています。
そして、ウクライナのゼレンスキー大統領も10日夜のテレビ演説で、
「ウクライナ軍が「侵略者の領内へと」戦争を押し込んでいる」
と認めています。
しかし、「なぜ」という気がします。このBBCの記事
【解説】 ウクライナはなぜロシアに越境攻撃を仕掛けたのか
では、同じように考えている軍事専門家もいるようで、
「ウクライナが戦場で抱える最大の問題はマンパワー」
「兵士の数で上回るロシアは、ウクライナ東部ポクロフスクにじりじりと近づいている」
「数百人のウクライナ兵をロシアに送り込むこと自体、言ってみれば、状況にそぐわない動き」
だということです。そうですよね、わざわざ戦線を拡大しても対応するのが大変になるだけですから。
ところが、一部の軍事専門家は、
「一つの明確な計画の一部」
「ロシアがウクライナ東部の前線から一部部隊を再配置せざるを得なくなった」
「ウクライナがロシアの領土を占拠しようとしている可能性は極めて低い」
「今回のロシア領への侵入の目的がロシア部隊を引き寄せること」
だったという見方をしています。
そして、西側諸国が、
「ロシア領内で今回の規模の作戦を行うことに、何らかの許可が与えられていた可能性は高い」
ということです。こちらの意見には賛成です。今のウクライナ軍の装備は供与されているものがほとんどでしょうし、軍事費も支援してもらっている状況なので。直接ではなくとも「加担」しているわけです。
しかし、やはり「なぜ」というのは私には理解できません。ロシア軍の戦力を分断させるためのようですが、ウクライナ側も分断するわけです。何かすぐにでも戦争を終わらせる秘策があり、その一環ならば理解できますが、そんな秘策があるとは思えません。「兵士の数で上回るロシア」なのですから戦争が長期化することの方が確率が高いと思います。ということは、戦線が拡大するだけです。また、別のロシア領を攻撃するのでしょうか。そこでは一般市民が生活しているのです。一般市民の被害が、死亡者や負傷者が出ることになります。最初に攻撃したのがロシアだとしてもです。
戦争になると政治家、指導者は国民を「数字」でしか見なくなるように感じます。太平洋戦争中、兵士を「一銭五厘」(召集令状の郵便代)で集められると、言ったという話もあります。
一方、イスラエルもまた学校を攻撃しました。こちらは、もっとひどくてパレスチナの人々を「人間」だと思っていない、と私には感じられます。そうでなければここまでする理由が私には理解できません。
どちらも「自衛のための戦争」だというのは理解できますが、どこかで終わらせないとお互いに被害が大きくなるだけです。そこが「政治」なのです。最悪「国」が亡くなることもあり得ます。日本も一回亡くなったようなものです。