頻繁に郵便受けにチラシが投函されます。不要なチラシを投函されて迷惑で、よくトラブルになったり、裁判が起こされたりしています。しかし、この投函する行為は「違法ではない」ようです。投函を止めさせるのも難しいようです。

投函する側に問題があるのですが、投函された側、チラシを受け取った側にも問題行動をする人がいます。不要だということで、その場で捨ててしまう人がいます。

現在賃貸の集合住宅に住んでいます。1棟60~90世帯で4棟あります。各棟にエントランスがありキーで解除しないと入れない仕組みです。6、7年前に入居したのですが当初、やはり捨てる人がいました。エントランスを入ってから出窓があり、モノを置くスペースがあるので、そこに捨てていく人がいました。結構な量になるのですが、それを掃除をしてくださる業者の作業員が捨てていたようです。案内板、出窓、エレベータ内に「チラシはお持ち帰りください」の紙が入っていました。それから捨てる人が減ってきて、2年ぐらいでいなくなりました。それから、4、5年間捨てていく人はほとんどいなくなりました。賃貸なので人の入れ替わりは結構あります。引っ越し業者の作業もよく見かけるので。

ところが、隣の棟では今も続いているようです。常時10~30枚程度を目にしますから。(隣の棟とは私の階だけ廊下でつながっていて、たまにエレベータを使用させていただくので確認できます。キーが違うので外からエントランスには入れないのですが)
ちょっとした心がけの違い、偶然マナーがいい人がいたためで現象が違ったのだと思います。

「捨てたチラシが少なくなる」→「捨てづらくなる」→「もっと減る」

という良い循環を繰り返して、ついに「捨てられるチラシがゼロ」になり、捨てづらくなった結果ですね。片や、隣の棟はマナーがいい人が増えなかったのでしょう。世帯数は20世帯位少ないのにです。清掃も同じ方がされているのにです。
そういえば、「早朝、夜間の騒音に注意をお願いします」という貼り紙が隣の棟の案内板、エレベーターに貼っていました。私の棟にはこのような貼り紙はありません。

これは、悪い習慣、雰囲気は。そのまま放置しているとより悪くなるということです。逆も言えると思います。

そういえば、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した「割れ窓理論」、

「1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまう」

というものがあります。
この理論を、1990年初めに犯罪が多発していたニューヨーク市で、当時のジュリアーニ市長が実践しました。その結果、

「割れ窓の修理や落書きなど軽微な犯罪の取締りを強化した結果、犯罪が大幅に減少した」

ということです。
「良い環境は良い環境を生む」ということでしょう。逆に「悪い環境は悪い環境を生む」ということでもあります。「良い環境」にするためには努力も必要であることも意味します。

今の世界情勢は「良い環境」とは言えません。ウクライナ戦争、ガザ紛争、シリア内戦などいろんなところで内戦が発生しています。「悪い環境」と言う方が当てはまっています。

ガザ紛争では、7月27日に、

「イスラエル占領下のゴラン高原にあるサッカー場に」、
「レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラが発射したロケット砲が」
「着弾し、12人の子供や若者が殺害され、数十人が負傷した」

とイスラエルが発表しました。
ヒズボラの報道官モハマド・アフィフ氏は、

「今回の攻撃への関与を否定」

しています。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、

「ヒズボラが「重い代償を払う」ことになる」

と報復を約束したそうです。
ハマスを支援しているヒズボラは、昨年10月にガザでの戦争が始まって以来、イスラエルと攻撃しあっていました。
このままでは、ガザ紛争が中東に拡大しそうな流れを感じます。「悪い方向」に傾いているように感じます。
「破れ窓」になる前に「良い方向」に引き戻す必要があるのですが。世界には打つ手がないようです。