バイデン米大統領が失言したのではないかと報道されています。

「日本に予算増加させた」 バイデン氏、また失言

7月5日の米ABCテレビのインタビューで、

「私は日本に予算を増加させた男だ」

と述べたそうです。何の予算かは言及していないとのこと。
バイデン大統領は、6月20日の支持者を集めた集会で、

「日本は防衛予算を長い間増やしていなかったが、私は広島を含め3回日本の指導者と会い、説得した」

と、

「自らが岸田総理に直接、防衛費の大幅な増額を働きかけたとアピール」

していました。この発言に対して、日本政府が米政府に

「誤解を招き得るものだ」

と申し入れています。それを受入れたのか、バイデン大統領は6月27日のメリーランド州で開いた集会で、

「私の説得は必要なかった」
「岸田総理はすでに決断していて、防衛費を大幅に増やし、ヨーロッパの戦争に関与した」
「誤解を招く発言だった」
「説得したのは韓国との関係改善だった」


と発言を修正、説明しています。
バイデン大統領は高齢でもあり、失言も多いので、また、6月20日の発言中にも言い間違えがあったことが報道されているので、「失言」だったとの方向の報道になってます。

バイデン大統領としては6月27日のテレビ討論会で劣勢に立たされたので、外交実績を強調する必要があったのでしょう。当然ですね。
そして、実際「防衛予算を増加」するという話題は出たに違いないと私は推測します。
東アジアの情勢が緊迫しているとはいえ、事実予算は大きく増額されています。

「2024年度の防衛予算案は23年度当初比16.5%増で過去最大の7兆9496億円」

になっています。こちらのグラフを見ると、バイデン大統領、岸田首相の就任後からの増加が大きいことが明らかです。
前年度から、16.5%、約1兆1000億円の増加です。「ミサイル防衛」、「長射程ミサイル整備」、「イージス・システム搭載艦2隻の建造費」、「日米が共同開発する新型迎撃ミサイルGPI経費」、「米国製巡航ミサイル「トマホーク」の納入も1年早める」などが予算に含まれていました。多くがアメリカからの、アメリカに関係する費用になるはずです。アメリカの軍需産業の利益になるものです。そういうことを考えると、アメリカ軍需産業の売り込みをしていたことも明らかです。北朝鮮、中国による東アジア情勢が緊迫していることがいい隠れ蓑になります。アメリカとしても貿易赤字を減らしたいですし。
しかし、日本政府としてはそういう事実があっても、一国の予算がアメリカの圧力で「決まった」とは絶対に言えません。そのような態度を取ればマスコミからもですが、国民からも非難されます。そこで、「日本政府が単独で防衛予算を決めた」ということでアメリカに理解してもらっているはずです。

ところが、窮地に陥っているバイデン大統領としては何でもいいから、藁にもすがりたい気持ちで「アピールする材料」が欲しいと、「ポロっと本音が出た」ということが真相だと推測します。「言わない」ことに決まっているのですが、バイデン大統領自身は圧力かけていたのです。その記憶があるので「言ってしまった」ということだと思います。今回は何の予算か言及していないので意図的なのかも。6月の時を含めてアメリカでは「失言」と報道されているのでしょうか。個人的に気になります。アメリカでは当然だと思われているのではないでしょうか。

どちらにしろ、バイデン大統領は劣勢だということを認識しているということです。大統領選挙戦からの「撤退」を米紙ニューヨーク・タイムズの論説委員会からだけでなく、民主党内からもあるようなので。