ガザ侵攻でガザの悲劇が昨年10月から毎日報道されていますが、ヨルダン川西岸も「パレスチナ自治区」です。こちらはハマスではなくパレスチナ自治政府が支配しています。事実上はイスラエルが占領しているとのことです。
歴史的な問題は一旦横に置くとして、こちらでもイスラエルが攻撃しています。

パレスチナ人10人死亡、イスラエル軍のヨルダン川西岸攻撃で

その上、イスラエル治安部隊(ISF)とユダヤ人入植者が、ヨルダン川西岸でパレスチナ人500人以上を殺害しています。

ヨルダン川西岸のパレスチナ人死者500人、国連がイスラエル非難

「イスラエル治安部隊は武力行使に関する国際人権法に違反して武力を使用」
「不必要かつ不釣り合いな殺傷力を用い、特定人物を狙った計画的とみられる殺害を拡大している」
「国連によると、506件のうち148件は子どもだった」

とのことです。これだけでも昨日のブログの「子どもの権利を侵害した国」リストに追加されるのは当然ですね。
そして、ユダヤ人入植者がパレスチナ人を襲撃した記事が他にもあります。一例として、

入植者のパレスチナ人迫害、06年以降で最悪 ヨルダン川西岸

「パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でイスラエル人入植者によるパレスチナ人への攻撃件数が、昨年10月7日から今年4月3日までの間では700件以上を記録」
「子ども600人を含むパレスチナ人ら1200人以上が牧畜などを営む遠隔地にあった居住先を追われた」
「少なくともパレスチナ人17人が殺害され、400人が負傷した」

ということです。ヨルダン川西岸地区へのユダヤ人入植は「国際法違反」なのです。イスラエルは違反していないと認めていませんが。

このような行為を行っているのは一部のユダヤ人入植者だとは思います。そして、これらの人々は「ハマス」への対抗措置だというのかもしれません。
しかし、少し古い事件になりますが、「マクペラの洞窟虐殺事件」があります。

「1994年2月25日にヨルダン川西岸地区南部の都市ヘブロンで発生した大量殺人事件」
「襲撃を実行したのは、バールーフ・ゴールドシュテインというアメリカ合衆国出身で、ユダヤ人入植地キルヤット・アルバに住む医師」
「ゴールドシュテインはまたイスラエル国防軍の予備役兵」
「ユダヤ人の極右思想であるカハネ主義の活動家」
「パレスチナ人のムスリム29名が殺害され、125名が負傷」
「ゴールドシュテイン自身もその場で殺された」

事件だそうです。単独犯とはいえこれはユダヤ人からの「テロ」です。このように「恨みの連鎖」が続いています。そのため「理由」なんていくらでもつけることができます。

そして、イスラエルのベングヴィル安保相は、

「バールーフ・ゴールドシュテインというユダヤ民族主義者の肖像を自宅に掲げていた」

ことで知られているそうです。このような極右政党の閣僚が多く入閣しているのが今のイスラエル政府です。連立しないと政権が維持できないとはいえひどいと感じてしまいます。というか、それだけ極右思想を持つユダヤ人が多いという証左ではないかと思います。

アメリカ、エジプトなどが停戦案を準備し、停戦に持ち込もうと努力しています。話し合いで停戦するのが一番ですが、極右思想が蔓延している状況では難しいのではないでしょうか。
 

身も蓋もないですが。こんな記事を見つけました。

アインシュタインが「人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?」と問いかけたところ、フロイトは、

 

「人間から攻撃的な性質を取り除くなど、できそうにもない!」

 

と答えたそうです。これでは答えにならないと思ったのか、

 

「文化の発展を促せば、戦争の終焉ヘ向けて歩み出すことができる!」

 

とフロイトは結んでいるとのことです。

今の文化の発展が、フロイトの言う「文化の発展」の方向ではないのでしょうか。それともまだ「発展」のレベルが低いのでしょうか。