昨日の日本テレビのニュースで、

「群馬県神流町ではこの「塾」で学ぶ大工の見習いたちが学んだ日本の伝統的な木造構法で町営住宅の建築」

しているそうです。
伝統的な「木造構法」の職人の減少を危惧して立ち上げられた「大工志塾」、つまり伝統的な大工さんを養成する教育機関ですね、その生徒20人が町営住宅を設計から棟上げまでを実地研修で造っているということのようです。

今はほとんどの大工さんは建設会社に所属して、伝統的な構法では造ることはないのでしょうね。というか、この記事が言っているように伝統的な構法で造ることができないのでしょう。そういう意味でこのような養成機関は必要ですね。

今の木造建築は部品を工場で造って、現場でその部品を組み立てていくのだと聞いたことがあります。木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)とかいうもののようです。この分野には全くの素人なので、間違っているかもしれません。
が、多分これが正しいのでしょう。部品を組み立てるのですから熟練の技術は不要です。そして、工期も短くて済む。工場で部品を作るのですから大量生産にも向きます。工期も短くなり、部品も安くなる。住宅の価格も安くなる。ということで、こちらが主流になります。
住宅価格が安くなることで、庶民も手が出せるようになります。消費者に取っともよいことです。

ところがこれは、住宅も「大量生産、大量消費」ということなのです。
私にとっては、「大量生産、大量消費」とは、「購入、使用、廃棄のサイクルを続けていくこと」だと考えています。できるだけ短いサイクルで。
なぜなら、この生産に携わっている人が生活するためには生産品が消費、つまり売れないといけないためです。最初は所有していない人が多いので売れますが、全部の人にいきわたると買ってくれません。買ってくれるためには、壊れるか、捨てるかしないといけないわけです。そうしないと、購入しないので。そういう意味で「大量生産、大量消費」はSDGsではないのです。

昔の木造の家は高かったです。そして工期も長かった。大工さんたちものんびり作っていたように感じていました。そして、一棟造るとかなりの期間生活できたと聞いたことがあります。昔のことですが。

今はそんなことはないのでしょうね。部品を組み立てるのが大工さんの仕事なので。世の中が進んで「いい世の中」になったのでしょう。しかし、全ての人にではないのです。
「大工志塾」の生徒20名の方が、将来伝統的な「木造構法」の仕事が来ることをお祈りいたします。