5月12日のブログに書いた、国際刑事裁判所(ICC)がイスラエル政府の指導者や軍司令官、ハマスに対して逮捕状を検討していた件です。
5月20日の声明で、国際刑事裁判所のカーン主任検察官は、イスラエルのネタニヤフ首相やハマスのガザ地区トップのシンワル指導者など、双方の合わせて5人に対して逮捕状を請求すると発表した、とのことです。

ICC イスラエル首相やハマス指導者ら 双方の5人に逮捕状を請求

逮捕状が出たのではなく、まだ請求段階のようです。

「今後、予審裁判部が、検察官が提出した証拠などを検討したうえで、逮捕状を出すか判断」

するとのことです。
「逮捕状を出す」ことに賛成します。出れば、双方とも少しは自制することも考えられます。ネタニヤフ首相は

「4月28日のバイデン米大統領との電話会談で、ICCが逮捕状を出さないよう支援を求めた」

と米メディアが報道していたそうです。気にしているということです。
とはいえ、アメリカは国際刑事裁判所(ICC)へ圧力をかけることができ、自分の思い通りにできるということですね。国連分担金の最大の国ですから。そういうことを何度もやってきたということです。国際社会には「法治主義」などない、力の政治だということです。悲しいですが、これが現実です。


停戦協議が決裂してから今も、イスラエルはラファへの攻撃を続行しています。規模は小さいようですが。
そして、イスラエル訪問中のサリバン米大統領補佐官がネタニヤフ首相らと会談したと5月19日に米政府が発表しました。

「イスラエルが規模を拡大しているパレスチナ自治区ガザ最南部ラファでの軍事作戦で民間犠牲者を最小限に抑える方法を協議した。本格侵攻に改めて自制を促したとみられる。」

ということですが、「侵攻」することは変わらないのですね。これはアメリカも認めているという意味ですよね。「最小限に抑えた侵攻」と「本格侵攻」との違いがあるにしても。

逮捕状が出れば少しは状況が変わるかもしれません。微かな希望かもしれませんが。停戦につながる可能性も0ではありません。