フランス政府は5月15日、仏領ニューカレドニアの暴動に対して非常事態を宣言したとのことです。

ニューカレドニア暴動、欧州系住民への憎悪拡大か 非常事態宣言、TikTok禁止も

「アタル首相は空港や港湾などインフラの安全を確保するため、仏軍を投入すると表明した。」

そうです。非常事態宣言なので、軍が出てくるのは当たり前ですね。とはいえ、制圧する相手は民間人なのですが。どこの政府も同じ行動をしますね。そのため、日本人観光客も足止めされているそうです。

暴動を起こしている人たちは「フランスからの独立」を目指しています。暴動までに発展するのは問題ですが、「若者がタイヤを焼き、『白人打倒』と叫んだ」というほど憎しみが積もっているのでしょう。フランスもそれだけのことをしてきたのだと思います。

フランスがニューカレドニアを手放さないのは「ニッケル」のためだと思われます。

「島は電気自動車(EV)のバッテリー原料となる金属ニッケルの世界的生産地」

とのことです。EVだけでなくパソコン、スマホにも使われています。手放すはずがないですよね。

『先住民の分離独立運動では、1980年代にも暴動が起きた。98年には仏政府との「ヌーメア協定」が成立。協定に基づい独立の是非を問う住民投票が21年までに3度行われ、いずれも否決された。』

とのことです。

欧州系の市民は人口の4分の1。フランスからの移住者には投票権はないようです。それでも否決されたのであれば、独立を望まない先住民もいるということでしょう。その人々がどう考えているのかはわかりませんが、植民地では支配者階級、上位階級の先住民と政府は癒着していることが多いです。

今回の暴動の原因が「フランスからの移住者に投票権を広げる憲法改正案」に対する抗議デモとのことです。フランス政府が独立派が減るように画策しているとも受け取れます。または、先住民からのフランス人移住者へいやがらせ、攻撃に対する地位確立だったかもしれません。私には実情はわかりませんが、先住民と移住者の間は良好ではなかったと考えた方がよいでしょう。

暴動、それに対する非常事態宣言は、ガザ紛争と同じで「憎しみの連鎖」しか生まないんですよね。
英断を期待したいものですが、マクロン大統領は人権重視のように見えるのですが、ウクライナ戦争で「参戦」をほのめかしたりする好戦家のような感じも受けるのですよね。