昨日のロイターの記事

イスラエル、代表団の訪米を再計画 中止から一転

ですが、内容が本当だとすると驚くべきことだと私には思えるのですが。
気になっているのが、

「代表団はガザ南部ラファで計画するイスラエルの軍事作戦などを協議する予定」

です。延期されたイスラエル代表団の協議内容が上記だった。そして再計画の代表団も同じ内容を協議するのでしょう。

良い方にとると「アメリカがラファ攻撃の停止を求めている」ととれるでしょう。アメリカとしては国際世論からこう考えてほしいはずです。
ところが、悪く取ると「協議後のイスラエルの作戦はアメリカが許可を与えた攻撃」になるということです。つまり、アメリカはイスラエルとガザ攻撃の作戦会議をしているということです。

これは驚くべきことだと思いませんか?
昔アメリカを「世界の警察官」と言っていたことがあります。だから「アメリカ=正義の味方」だとずっと信じていました。子供のころから「世界の警察官」という言葉を聞かされていればそうなりますよね。言葉は怖い。

ところが事実はそうではない。湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争、起こった経緯と結果を見るとアメリカの都合で戦争を行っているんです。その前にもベトナム戦争というものもありました。

「人道」という言葉はアメリカには当てはまらないんですね。「人道」的立場から裁かれるのは必ずアメリカの敵に対してだけです。アメリカ、アメリカ大統領、アメリカ人に適用されることはありません。(捕虜虐待等で裁かれる例はありますが、通常の戦争犯罪と私は考えています)
太平洋戦争の軍事裁判では、日本、日本人が「人道に対する罪」、「平和に対する罪」で裁かれています。サダムフセイン大統領も。広島、長崎への原子爆弾投下、その前には日本各地での焼夷弾投下があります。ベトナム戦争だとナパーム弾投下、枯葉剤使用などもあります。しかしアメリカが裁かれたとは聞いたことがありません。

戦争の場合は無条件降伏のレベルで負けてはいけないと実感します。そして多くの国がそう思っていると思います。
その前に「戦争しない」ことが一番ですが。本当にこれが一番です。「勝てば官軍負ければ賊軍」です。中国、日本の戦国時代の論理のままなんです。人間は変わらないのですね。勝った方の論理で裁かれるリスクを考えると戦争をするリスクが大きすぎます。

ところが、イラク戦争を考えると先に仕掛けたのはアメリカなんですね。いろいろ事情があるとしても。しかし負けたフセイン大統領だけが裁かれました。フセイン大統領が全面的に正義だとは言えないのは確かですが、私は片手落ちだと考えています。

そう考えていくと今回のイスラエルのガザへの攻撃も単純に考えていいのでしょうか? 発端はハマスの攻撃です。それを理由にハマス殲滅まで継続すると言っています。ところが実情はハマスの戦闘員以上の人数のガザ地区のパレスチナ人が死亡しています。まるでガザ地区のパレスチナ人を一掃する勢いで。そして、イスラエルはハマスの攻撃情報を事前につかんでいたという話もあります。もちろんハマスが攻撃したことは悪いのですが、穿った見方をすれば、イスラエルが少数の国民を犠牲にして口実を作ったという可能性もあると私は考えています。
同じく、ロシアのウクライナ侵攻についても報道だけを信じていいのでしょうか? こちらももちろんロシアが進行したことが悪いのは当然です。しかし情報は欧米からのものが主なんです。それが正しいとは限りません。そして、2014年のウクライナ紛争、それ以前の状況も考える必要があるんです。そして現状を考えると北欧諸国がNATOに加盟したため「余計に周りは敵だらけになった」とプーチン大統領は感じていると思います。

そして、どの国も、どちらのグループも負けることは許されないと思っているはずです。負けたら何をされるかわからないのですから。なので国連で何が決まろうと、何を指示されようと従うはずがありません。どこかの国が「法治主義、国連主義」とか言っていましたがそんなものは役にも立たないです。

こう考えていくと、どちらも

「強権で強制的に停戦させる」

しかないと私は考えるのですが。その強権を持つ国がどこなのかなのです。複数の国が共同することも必要でしょう。ところがそのような国に限って軍需産業が盛んです。軍需企業は潤っていることでしょう。軍需企業は「戦争継続」に賛成のはずです。ベトナム戦争のように。いい加減にしてほしいものです。