昨日15日午前に、「育成就労」制度を創設する出入国管理・難民認定法などの改正案を閣議決定したそうです。

外国人技能実習を廃止し「育成就労」制度創設へ、関連法案を閣議決定…人手不足補う目的を明確化

「人手不足を補う目的」で、また「永住許可も可能」ということです。実質的な労働力確保の手段だった技能実習制度には反対なので少しは良くなっていることはいいことです。また数で可決するのでしょうが。

しかし、これは「国籍を与えない移民政策」だと私には見えるのですが。「国際的な人材獲得競争が激化する中、(途中略)外国人材を呼び込む狙い」とのことです。高度成長期、バブル前に「日本は資源がないので人材が資源」というようなことを言っていたと記憶しているのですが、過去のことなんですね。
しかし、「よその国がやっているからやる」というのは悪手だと私は思います。国によって環境も違います。資源、土地、気候、人口、産業構造、などなど。国民性も違います。それらの違いによって結果も違いが出ると思います。

移民を国是としているアメリカでさえ移民問題は大きな問題なんです。石油は出るし、国土もある。国からの補助がありますが農業の生産性も明らかに日本を上回っています。そして、人種間の差別は根強いですがいろいろな人種がいる環境があります。

それに比べると明らかに日本人には不向きなことなんです。「移民」というものは。
身近なところに外国人がいることになるんです。そこには外国人の家族がいるんです。子供も。将来その子は大人になり働き手になるでしょう。ところが、その子は日本国籍を持っていないんです。そんな状態で就職時に差別は起きないんでしょうか?

日本で育ったので日本人と変わらないように育つ子も多くなるでしょう。そうなると日本人と変わらないところに就職するようになります。そうなると排斥しようとするようになりませんか? 「あいつらのために俺が職に就けなかった!」と。

その前に日本語の習得ができずにぐれてしまう者も出るでしょう。
習慣も考え方も違うのです。そのために差別も起きるでしょう。人間は異質なものを差別しがちです。自分の楽しみ、嗜好のためにいじめをする人もいます。それはどちらの側にもいます。そして嫌われたくなくて付和雷同で同調してしまう者もたくさんいるのです。

そういうような感じで相手を憎み、争いに発展することがあるのです。それがグループになると大きな問題になります。やったらやり返す。そのようにして問題が大きくなり、憎しみも大きくなる。

これが移民のグループ間で起こったのが3月2日のブログで取り上げたクルド人の問題、その中の、川口市立医療センター周辺の暴動なんです。

乱闘…男女もめた結果、病院で100人大騒ぎ 救急車受け入れできず 批判の先は…誤解も 騒動を取材

そして、このような場合発生するのが、誤情報、デマなのです。そんな中で何が正しい情報かなんて正確に判断できる人はほとんどいません。正しい情報もなく正しい行動もできなくなる。その例が関東大震災の朝鮮人殺傷事件です。


こうならないために「相互理解」が大事なんです。分かり合えることが。
そのためには、長い時間が必要です。その前に、「このようなことが起こる可能性があること。それを回避するためには相互理解する努力が必要なこと、それには時間がかかること」を覚悟しておくことが大事だと私は考えます。「相互理解のための努力」なんて気が遠くなるような努力が必要です。上のような事件が一度でも発生すれば「0」に戻るのではなくマイナスになるんです。マイナスの状態からやり直す必要があるんです。

このあたりのことを理解して、覚悟しているんでしょうか? 国民は。

 

もちろん、すでに実行されている方がいらっしゃることは知っています。しかし、多くの人は知らないし、覚悟もないように私には見えるのですが。