異例の土曜採決で年度内に予算が年度内に成立することが決まりました。

【速報】2024年予算案が衆院・委員会可決 異例の土曜審議の末 本会議を経て参院送付へ

これについて少し考えました。
政治、経済を学んだのが高校生までです。そのころ「政経」と言われていましたが、そのレベルなので憶測などが多々あります。なので、嘘を書いている可能性がありますので、「あれ?」と思ったら調べてください。

まず、国会ですが毎年一回必ず1月から開催しないといけないのが、通常国会です。今開催している国会です。その他の国会は不定期です。ということで、通常国会は重要な国会なんです。
通常国会で必ず議論されるのが「予算」です。お金がないと国政を国民に対して行うことができないので、その使い道、予算を決めるんですね。当たり前ですが、「予算」は重要なんです。
なので、「年度内に成立」で与党の勝ち、「年度内不成立」で野党の勝ちとみなされたりしたようです。


「その予算が年度内に決まらなかったらどうなるのか?」

この問題については、こちらを参考にしました。

予算の成立時期に関わる諸問題

1. 予算が成立しない場合は、別に暫定予算案を国会に提出して暫定予算を成立させて、これに沿って国政を行う。
しかし、この暫定予算は通常行う国政だけで、新しいものとかは組めないようです。今回の能登半島地震の復興支援予算などは組めないと考えた方がよいようです。

2. 暫定予算も成立できなかった場合は憲法でも考えられていないようです。内閣が暫定予算を提出しなかったこともあるようですが、決まりがないんですね。
それでも国政は続くのでお金は出ていくようですが、出ていくのは通常の国政分だけとなると思われます。
新しい国政に出費すると「法律上問題がある」と非難されることでしょう。


ということで、岸田首相としては、どうしても「年度内に予算を成立」させたかったと思います。
そして、圧倒的な多数を占める衆議院で採決さえすれば、可決できるわけです。その上、自民党が予算委員会委員長を出しているわけです。元々は、3月1日(金)を考えていたでしょうが、2日にこのような採決が行われる戦略は誰にでもわかったのではないかと私には思われます。

だからこそ、それまでに政治倫理審査会を開催しているのです。そこでの攻防の時に「3月1日採決」といった言葉も岸田首相から出ていたと記憶してます。公開、非公開でもめて流れそうになると、自分も出席するという手に出たわけです。これで、公開で開催されましたもんね。

これで、派閥の裏金問題の批判があるままよりも、政治倫理審査会を開催したことで国民の批判をある程度抑えられる。裏金問題も検察が起訴できなかった以上新しい事実が出てこない限りは政治倫理審査会に対応できる。ある程度の批判はあるだろうが最悪になることはない。また、年度内に予算が成立せずに能登復興支援に問題が発生し、国民から批判されるよりは強硬成立した方が政治的なダメージは少ない。
と、岸田首相が判断し、戦略を立てたと思います。

この岸田首相の戦略は、誰でも推測できたのではないでしょうか?
野党も。マスメディアも。


なので、今回の出来事は、参加者全員が分かっていて演じた茶番劇だ、と私には思えるのですが。岸田首相が勝ったのではなく、暗黙の合意のもとに勝つシナリオ通りに演じたということです。

岸田首相としては「丁寧に」説明し、対応したと国民に示した。野党は、自民党の裏金問題、国会の進め方の責任を追及したというパフォーマンスを国民に対して示した。マスメディアは時事ニュースを提供してもらえた。専門家、知識人は意見を言う場を提供してもらえた。
というウイン・ウインの関係ではないかと私には思われます。ただし、それぞれが想定している「国民」はそれぞれ別でしょうが。


次に、自民党内の処罰にも移っているようですが、予算が成立確実なので、このままうやむやにするか、すでに大臣、党の役職を退いているのでそれをもって処罰にするのではないでしょうか。