GDPは国の経済力を示す一つの指標なんですよね。
昨日のGDPを考えていて、1980、90年代のバブルのことを思い出しました。
あの頃の経済力は強かったのでしょうか?

あの頃は、土地がべらぼうに高くなっていました。それにつられてすべてのものが高くなって、高いものがあふれていました。高級車しかり。社員旅行など団体で海外が当たり前。クリスマスは高級ホテルで宿泊。高級ゴルフクラブの会員権。豪華な結婚式。などなど。

これこそ、昨日書いた、

商品、サービスの価格を高くして、みんなが我慢して買えばいいんです。

の実例ですよね。この時のバブルで違っているのは「我慢」していなかったことです。
そして、もの、サービスの値段がどんどん上がっていった。つまり、GDPを押し上げる方向だったということです。

なぜ値段が上がったのか?

なぜなら資金になるお金はどんどん増えていったから。
不動産の高騰で、不動産を担保にすることでいくらでも借金してましたし、銀行もどんどん融資してました。不動産もどんどん売れていました。ホテル、リゾート施設もどんどんできました。
これらも担保になるんです。こうやって、お金がお金が生む仕組みを作ったわけです。
郵政省(今の総務省)なんか、郵便局の簡易保険加入者の保養のためといって簡易保険保養センターをあちこちに作っていました。国まで加担していたのです。
こうやって、お金の数字だけが膨らんでいった。(実際にモノとして残ったものもありますが)

そして、ついに1989年、1990年にはアメリカを買うんですね。

三菱地所のロックフェラーセンター買収・ソニーのコロンビア映画買収でジャパンバッシングに拍車
ソニーによる米映画会社コロンビア買収
パナソニックのユニバーサル買収と撤退

この時は、「日本の土地でアメリカを全部買うことができる」(真偽は不明)と言われていたと記憶してます。

その後、バブルはじけて終了します。

お金がお金を生む仕組みでも永久に回せないからですね。借金でお金を増やしているわけです。どこかで借金したお金を返さないといけません。利子をつけて。

どこかで返すことができなくなったら、回すことができなくなるわけですね。簡単な話です。


残ったのは、価格が下落した不動産、価格が下がったモノです。利用する方法がない北海道の原野まで売っていたという話もありました。
損をした人は、それらの不動産、モノを持っていた人です。そして、それらを借金してまで買った人。その人たちに融資した銀行。
そういう人たちが「減損処理」して膨らんでいた金額(数字)を穴埋めしたんです。三菱地所もしかり。
そして、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、山一証券が破綻するんです。そういう形で穴埋めしたということです。


この1990年の名目GDPは437兆円、今回の名目GDP(一時速報)が591.5兆円だそうです。(以下の情報から)

GDP統計(16)~(66)
日本の経済規模5位転落のリスク

この数字をどう解釈するか?
なんですよね。
数字はいろいろな角度から見ないといけない。また、単一の数字だけを見てもいけない。関連するものを見ないといけない。関係しない数字も新事象で関係することになるのでそちらにも注意が必要。

そして、それらを将来にどう生かすか

それが大事なんです。
なので、今回4位になったからと言って、5位に転落するかもと言って悲観する必要はないと思います。
これからどうしたらよいかを考えた方がいいです。

(学生の頃、経済学では数学を駆使していると聞いたことがあります。門外漢なのでわかりませんが、経済の専門家にとっては当たり前なのでしょうね)

ところで、最近、株価も上昇して「バブル後の最高値を更新」と華々しく語られています。バブルでないことを祈ります。
バブルの時は、真っただ中にいるので一般人にはわからないんですよね。
この時も、2001年のアメリカ ITバブル崩壊、2008年のアメリカ住宅バブル崩壊、リーマンショックの時も。
日本銀行、FOMCがきちんとコントロールしていると言っていたんですが。