こんにちは。
猫班のNです。
ねこかつさん主催の最強の保護猫譲渡会が話題になっていますね。
私もこのポスターを見て「いいねぇ」と思った一人です。
人馴れしていない猫を譲渡会に参加させるのは大変です。
ケージの中で逃げ回り、暴れまわる子を捕まえないと会場には連れていけないわけですが、抵抗の仕方はそれぞれ違うので、その子の性格に応じて工夫しないといけません。
固まり系の子は洗濯ネットを体の下にまで通すのが大変です。
ケージに体の側面を押し付けたまま全身を岩のように硬直させるので、押し付けられている面にネットを少しずつ押し込んで包むのにとても苦労します。
まったく動かない分、いつ噛みついてくるのか読めなくて冷や冷やします。
黒ひげ危機一髪みたいなドキドキ感(笑)
逃げ回り系の子は、一時もじっとしてくれないので疲れるのを待ちます。
ケージ中を縦横無尽に駆け回り、側面にしがみついたり飛び降りたり。
もちろんケージの中がめちゃくちゃになるので、先にトイレやフードなどはすべて出します。
行く方向を読んで飛び込ませるという上級者のテクニックが必要になってきます。
ネットインが終わるころには疲労困憊なので少しおとなしいです。
攻撃系の子は、とにかく手と口が絶え間なく出ます。
向かってくる子、飛び掛かってくる子、ものすごい形相で攻撃してきます。
こういう子はネットインのあとも全身全霊で暴れまわり、ネットごと走り出したり、ネット越しに噛みついてきたりするので注意が必要です。
中にはネットを破壊して出てくる子もいますし、力づくでキャリーをこじ開ける子もいるので、ネットインしたからといって油断はできません。
こういう猫たちには、譲渡会のときにだけ触れ合うわけではありません。
体調を崩せば受診が必要です。
ワクチン、爪切り、体重測定、駆虫薬の滴下など、捕まえないといけない事態が日常のどこかで必ず発生します。
「暴れるから捕まえられない」
「怖いからやりたくない」
そんなことは言っていられません。
私たちには保護した責任があります。
1匹捕まえるだけで汗だくになることもしばしばで、負傷することも多々あります。
なので、シェルターには人間用の消毒液や絆創膏なども置いてあります。
傷の深さ、出血量によっては受診することもあります。
でも、そんな子が少しずつ心を開いてくれるんです
ケージに近づくだけで激しく威嚇していた子が、手につけたちゅ~るを舐めてくれるようになり、少し触れるだけで逃げ回っていた子が、自分から頭を摺り寄せてくれるようになり、そのうち遠慮がちにスリスリしに来て、ナデナデを催促するようになるんです。
(※個体差あり。一生人馴れしない子が稀に存在します。)
この感動は、一度体験すると病みつきになりますよ
私もボランティアを始めて最初に預かり猫として任された1匹目が人馴れしていないシャーシャー猫でした。
触れるようになるまでに約1ヵ月かかりました。
当時は「1ヵ月もかかった」と思いましたが、実はこれはかなり短いほうで、最長で半年程かかった子もいます。
人間を信頼できるかどうかを判断するのは猫です。
時々「どのくらいで人馴れしますか?」という質問をいただきますが、それは猫次第であり、貴方次第でもあります。
先にも書きましたが、甘えんぼに変身しない子も稀にいます。
「居てくれるだけでいい」という大きな心を持った方でないとシャーシャー猫の里親になることは難しいです。
人馴れしていても抱っこだけは全力で拒否する子もいますし、膝には乗ってくるのに爪切りでは大暴れする子もいます。
甘えんぼだけど添い寝はしてくれないとか、普段は逃げ回るのに夜だけ布団に乗ってくるとか。
猫ってそんな生き物です。
よく、自分色に染めたいという理由で子猫を希望される方がいらっしゃいますが、たとえ子猫から育てても思い通りの性格にはなりません。
人間の子供だってそうでしょう。
「こうなってほしい」という願望を押し付けるのは間違いです。
“ありのままを受け入れて愛でる”ことができる方に里親になっていただきたいです。
もし、当会のシャーシャー猫にお申し込みいただいた場合は、信頼を得るためのアドバイスや接し方のコツ、受診させるときの秘策など諸々伝授いたしますので、ぜひ人馴れしていない猫にも目を向けていただけるとうれしいです。
お問い合わせお待ちしております