143. 恐怖の週明け | アラフィフで転職した秘書の秘書裏(表も)話

アラフィフで転職した秘書の秘書裏(表も)話

アラフィフで転職成功した秘書が、長年の秘書生活の、いろいろなお話をしたいと思います

ぎりぎりで、退職一か月前に会社に告げることができた。

あとは有給消化であとどれぐらい出社しなければならないかというところ

月末付で退職するとして、丸々有給を使うつもりはなかったが、3週間は休みたいので出社はあと1週間か?

その1週間で引継ぎマニュアルを作っておいて、あとは後任が決まったら、引継ぎ用に何日か出社しようと考えた

ウキウキで過ごした週明けの月曜日、朝いちで能面のような顔の同僚に

「ちょっといいですか」

と、会議室に呼ばれた。そして、座るやいなや、

「私は、月末に辞めるなんて知らなかった。それってかなり急だし、びっくりです。もちろん、月末31日ぎりぎりまで働いてもらえますよね?私はあなたの仕事は引き継ぎませんし、後任に誰が来ても、それを読むだけで仕事ができる完璧なマニュアルを作っておいてください。できたら私に見せてください。確認しますから」

そして、貼りついたような笑顔を見せ、

「Shioriさんは、10年選手なんですから」

私は、その能面に張り付いたような笑顔を忘れることができなかった。ほとんどホラーの世界だ

そして、怒りが脳天を貫いた

こいつ、何様だ?

わざわざ「10年選手」という、かつて私が使った言葉を使う底意地の悪さ

確認しますから?

私の上司でもなんでもないくせに、上司気取りか?

あまりにも呆れてしまい何も言わないでいると、

「私も転職活動はしていましたけれど、もちろん絶対に会社に迷惑をかけないつもりでした。だから私が内定待ちの所も内定をもらってから移るまで十分時間を置くつもりでしたし」

だって、内定もらってないでしょ・・・内定待ちの所って・・・と心で苦笑してしまった

「来月、父の退任祝で家族での集まるための帰省も、休暇をとれなくなったのでキャンセルしました」

そんなの、知ったことか。私がいなくても休暇とればいいじゃないか。誰もあんたがいなくても困らないよ、と心で毒づく

「それから、この間辞めたOOさんのお部屋も、辞めるまでに完璧に片付けてくださいね。一人になってしまったら私はそんなことする時間ありませんから」

もう、嫌がらせにもほどがある。この間辞めたOOさんは性格が良いから彼の秘書は私がやりたい、と言って自分がやっていたではないか?それこそ私の仕事ではない

「あなたの仕事は引き継ぎません」

「完璧なマニュアルを作って見せてください。確認します」

10年仲良くしていたのに、ここで本性を見た

でも、なんとなく予想はついていた

きっと週末の間じゅう、週が明けたら朝いちで、あれも言ってやろう、これも言ってやろう、と考えていたのだろう

なんて暗いんだろう、意地が悪いんだろう

こんなだから、前社長が辞める時、10年以上秘書をやっていた彼女を一緒に連れて行かなかったんだ

この底意地の悪さ、前社長の次の職場でトラブルメーカーになること間違いない

それを見越していらっしゃったのだろう・・・

私は黙って立ち上がり、彼女をひと睨みすると会議室を出て、エージェントに翌月1日付で入社する旨の電話をした

 

*2年0か月の活動内容*

ネット登録8件

登録エージェント5件

応募22件(書類落選10件)

面接11件 

面接を受けた案件のみの勝敗 0勝11敗

進捗状況:⑲最終面接合格、内定。入社意志を伝える