まだ小学校に上がる前の頃、家にあった絵本の中に「せかいちず」というものがあった。

 

 

子供向けに世界の国々のことを紹介している類の絵本。

 

 

その中に「1991年にソ連が崩壊した」ということが書いてあった。

 

 

私はそのページをお母さんに見せながら尋ねた。

 

 

「1991年っていつ?」

 

 

「雄妃が生まれたのが1990年だから、その1年後」

 

 

その時私は幼いながらに漠然と「歴史」を感じた。

 

 

「ソ連崩壊」……未だにその詳細を理解しきれていないほどの世界的大事件。

 

 

詳細は理解できなくとも、字面だけでもものすごいことがあったのを感じられる。

 

 

そんな世界的大事件が、私が生きている間にあった。

 

 

「私は今、歴史の最前線にいる」

 

 

幼いながらもあの日の私は絵本を通してそんな衝撃を受けた。

 

 

その後世界同時多発テロが起き、今世界はコロナ禍に襲われている。

 

 

30年の間に「世界的大事件」がこれだけあった。

 

 

だからきっとこれからの人生でも何かしらのことが起こるのだと思う。

 

 

毎月15日に「項羽と劉邦」を書いていると似たようなことを感じる。

 

 

劉邦は約60年の生涯の間に「秦による天下統一」ということを経験し、最終的には自身が皇帝になる。

 

 

秦が天下統一をする以前は複数の国がもう何百年も群雄割拠していたのだから、「天下統一」というのは当時としては「あり得ないほどの大事件」だったはずだ。

 

 

こうして自分のこれまで生きてきた時代と過去の時代を比較すると、結局どの時代に生まれたからといって人の幸不幸が決まるわけではないのだということを痛感する。

 

 

いつの時代もその時代に生きる人間にとっては「激動の時代」だった。

 

 

だからこそ、今の時代を受け入れながら生きる姿勢が大事になってくるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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