振り返ると少し離れたところに泣いてる人がいた。

あれ...理佐?





愛佳 「りさ?」





黙って頷くその人は、骨が浮き出て見えるほど痩せていて、顔や体のあちこちに傷があった。


 


理佐 「っ、...愛佳ぁぁ!」





飛びついてきた細い体を受けとめる。


以前のりさの柔らかさはなくて、少し強く抱きしめたら壊れてしまいそうだった。





愛佳 「りさ...少し話したい。家来ない?」





できるだけ優しく言うと、腕の中で小さく頷いてくれた。








愛佳 「どうぞー」



理佐 「おじゃまします、」



愛佳 「ふふっw久しぶりだとなんか緊張するよね」



理佐 「うん笑」






来る途中で落ち着いてきたみたい。





愛佳 「話せるなら...話してほしい。何もできないかもしれないけど、、助けたい。」



理佐 「うん...話す。」



愛佳 ...うん」



理佐 「大学入って、付き合い始めたひとがいるの。」




この傷って...




理佐 「うん...そうだよ。DV。」



愛佳 「っ、!」



理佐 「逃げようって...思ってる。何回も逃げようとしたんだけど、信じて逃げた友だちの家にね、必ず...っ、押しかけてくるのっ、」



愛佳 ...



理佐 「もう...誰信じていいのかわかんないよ、っ...



愛佳 「りさ...







頑張ろうね 元気でねって言い合ったあの日から、たったの1ヶ月で、こんなにも変わってしまった。



薄着になると痛々しい傷がたくさん見えた。





愛佳 「こんな状態でも、大学行ってたの?」



理佐 「歩けないくらいひどいときは休んだけど...ちゃんと行ってる。」



愛佳 「歩けないくらいって...病院とかは?行ったの?」



理佐 「行かせてもらえない...




愛佳 ...りさ、もうやめよう?」



理佐 「大学、?」




今の大学に入るために、理佐がどれだけ努力してたかは、私が1番よく知ってる。





愛佳 「諦めたくないよね、でも...これ以上我慢してたら理佐...っ、壊れちゃうよ、」



理佐 「そうだね、」



愛佳 「もう...我慢しなくていい、無理しないで...っ、」 



理佐 「わかった、、」





壊れてしまいそうな体を、そっと抱きしめると、細い腕でギュッと返してくれた。





理佐 「助けてくれて...ありがとう、」



愛佳 「絶対...守ってあげるから。」






体の傷は少しずつ薄くなった。



でも、心の傷はそう簡単には癒えないみたいで。ほんの些細なことで思い出してパニックになったりする。






つらいこと、全部忘れられるように。


ゆっくりもとの理佐に戻れるように。








終わり