理佐side



まだ、ほんの少しの緊張感が残った教室。


ついこの前までピンクの花びらが入ってきていた窓からは、生ぬるい風と小さい虫とかしか入ってこない。



私は1番うしろからみんなの背中越しに黒板を見ている。

名簿順の席。

21人のこのクラスで私だけ後ろに外れた席に座っている。

毎年のことだからもう慣れてるけど、となりに誰もいないのは寂しい。


なんとなく客観的に見てしまって、自分はこのクラスに存在しないような、そんな感覚になる。








「明日から気温が高くなるみたいなので_」



ふと、先生の話に意識を向けた。
夏服の移行期間が始まるらしい。


そういえば、ブレザー脱いでる人増えたなぁ、なんて、またみんなの背中を見ながら思った。






「ねーいつから夏服にするー?」


「え、まだ早くない?」


「私もうちょい冬服かな」


「りさはー?」


理佐 「...んー、私も、しばらく様子見...かな」


「だよねー!」




自分の服装すらも人に合わせないと決められないなんて、ばかばかしい...

けど、こうやって、周りの様子をうかがいながら少しずつ夏をむかえていくんだろうな、とよくわからないことを考えた。









ねるside



あしたから完全実施だから、夏服に変えないと...

夏服が嫌いなわけじゃないけど、なんとなく恥ずかしさみたいなのもあって、結局ずっとクローゼットから出せないままだった。


教室をみると、ほとんどの子たちが夏の半袖セーラーで、ワイシャツを着てるのはあと数人。







あ、あの子もだ...


と、そう思うと、私の気持ちが聞こえたみたいに目が合った。






ずっと憧れだったあの子。

おとなしいのにいつもみんなの中心にいて、かっこよくて、ときどき可愛い。



話したことないけど、いつか話しかけたいなぁなんて思っていた子と、急に目が合って。

なのに、反射的に逸らしてしまった。





うわー、今のめっちゃ感じ悪いじゃん私...







キーンコーンカーンコーン







はぁーあ、

いや、もうちょっとなんかあったでしょ...
ニコって笑うとかさ、。


目逸らすって、私最低じゃん...




理佐 「あの...」


ねる 「ん?...えっ?!


理佐 「ゎ...」




わ、え...話しかけられちゃった、

さっきの怒ってるかな、ていうかめっちゃ大きい声出しちゃったし!



理佐 「ふっ笑 ごめんねなんかびっくりさせちゃった(笑)」


ねる 「ご、ごめんなさい...笑」


理佐 「きのうのワークシートある?集めてって言われて...」


ねる 「あっ、うん」




なんだ...そういうことか、




理佐 「あと、...さっき目あったよね?気のせいかと思ったけど笑」


ねる 「あっ、その...ごめん」



やばい、やっぱ気にしてたかな...



理佐 「んん、大丈夫(笑) あっ、そうだ。明日から夏服にしないとじゃん?」


ねる 「えっ、あ、そうだね。私たちだけだよね笑」


理佐 「ね笑 私忘れてそうだからさ、家帰ったらLINEしてもらえない?」


ねる 「えっ!」


理佐 「あっ、ごめんねさすがに図々しいか...笑」


ねる 「そうじゃないっ、くて...え、いいの?LINEして、」


理佐 「してくれるの!?」


ねる 「うん...!あ、でもLINEもってない」


理佐 「うん。交換しよ?」


ねる 「うん!」




なんと...!一方的に想いを寄せていた理佐ちゃんとLINEを交換しました、!!


かわいらしいアイコンだ...



見た目はしっかりしてそうなのに、話してみたらおっとりしてて、ふにゃって笑う、ほんわかした子だった。






ねる:りさちゃん!夏服!


りさ:ありがとー!準備できた




すっごい緊張するー、

2人だけ冬服着てたってだけなのに...
こんなに話せるなんて。幸せだぁ、、











理佐 「ねるちゃん!おはよ」


ねる 「ゎ、おはよう」


理佐 「ありがとおかげさまで忘れなかった~!」


ねる 「ううん!」






セーラー服可愛い...!!




理佐 「なんか昨日まで話したことなかったのにね(笑)すっごい話しやすいねるちゃん」


ねる 「えほんと?!」


理佐 「これからもっと話してもいい...?」


ねる 「うん!」









今年は、いい夏になる予感がする_





終わり