はじめに
こんにちは、shionです。
先日、仕事で福岡に行ってきました。
福岡といえば、明太子・もつ鍋・水炊き......などなど、美味しい食べものが目白押しな処ですが、昨今の情勢もあり、滞在中の食事はコンビニ飯で済ますことが多く、結局、先に挙げた名物の数々を食すことなく、帰ることとなってしまいました......。
皆さんは、旅先を巡るときに、「これは外せない!」というものはありますか?
歴史的建造物や森林・海といった大自然、場所によっては温泉もいいかもしれません。
私の場合は、「食」が大きな割合を占めています。(温泉も大好きです。)
インターネットで調べて、評価の高いお店に行くこともあれば、気の向くままに散策して、ふらっと立ち寄ることもあります。
日常から少し離れた場所で、美味しい食べものに舌鼓を打つ......
そんな幸せを、安心して味わえる世の中になるよう、願っています。
紹介文
今回は、辺見庸さんの『もの食う人びと』です。
この本は、ノンフィクションライターの枠を超えて、多方面で活躍している著者の「食」に関するルポルタージュです。
バングラデシュでは図らずも残飯を喰らい、
ドイツの刑務所では囚人と昼食を共にし、
セルビアの修道院では慣れない祈りを捧げながら食事をし、
旧ソ連のチェルノブイリ近くの村では地元で採れた食材を使った料理を村民と食し......
挙げればキリがないですが、まるで「食」と格闘するかのように、訪れた国々で食物に食らいついていきます。
本書を読むと、様々な文脈における「食」の存在、特に”生きる”という文脈における「食」の重みが、凄まじい臨場感を伴って押し寄せてきます。
出版時点(1994年)から、世界は大きく変わりました。
それでも、私たちは変わらず、肉を食べ、魚を食べ、野菜を食べ、穀物を食べ続けています。
日本に住んでいると、和食や郷土料理といった文化的な「食」だけでなく、食すること自体に悦びを求める娯楽的な「食」を経験する機会が多いと思います。
現代の食生活に浸ってしまった私たちは、今後どのように「食」と向き合うべきなのでしょうか......