塾の講師をやっていたころ、新入生が申込書を持ってきた。
住所とか親の氏名とか志望校とか書いてある。
「悪いんだけどデータベースに入力しておいてくれない」
へ~、この塾にもデータベースがあったんだ!?
塾長に言われて、塾のパソコンを開くとデータベースという
ファイルがディスクトップにあった。
「このディスクトップにあるデータベースってファイルですか」
「そうだよ」
でも、xlsmだよね、excelなの?
開くとデータベースと言うよりただの表だよね。
「凄いでしょ!通信表や中間、期末の成績もわかる」
わかるって、5段階と点数が入ってるだけ。
これじゃ不得意分野がどれでとか、計算問題が苦手とか、
長文読解力はあるとか、そういったことは一切わかんないよね。
あとせめて、ソフトはアクセスとかファイルメーカープロで作ろうよ。
そうしないとデータ分析が大変。
まあ、これくらいのデータなら必要ないのか。
 
「もう少し、プロファイリングっぽいものとか作ろうと思わなかたんですか」
「プロファイリング?なんかカッコイイね。でもいいのいいの、
そういうのは講師の力量に任せてるから」
力量に任せるって?そんなことをやってる講師は私ぐらいだよ。
専任で持ってる受験生だけだけどね。
 
お子さんを預けてる親御さんは、いろいろと期待してるんだろうね。
もっとITを利用した最新鋭の指導方法とか。
そんなことをやってるのは大手のお値段の高い塾だけかな。
小さい所は、昔ながらの方法のままだよ、結局講師頼みだから。
 
1200円の時給じゃ、時間外タダ働きでそこまで頑張れないよね。