昔、救急病院にいた時の話。
救急車で急性腹症の患者が運び込まれた。
二十代後半の女性、見るからに腹部が痛そう。
「レントゲン室へ運んで腹部の写真を撮って」
三十代前半の男性医師が指示を出す、
彼は1ケ月ほど前に赴任したばかりの研修医上がり。
看護師2名が少し驚いた表情で、ストレッチャーに患者を載せたまま、
レントゲン室へ運んでいく。
 
戻ってきた患者の写真をモニターで見ながら、
新米医師はしきりに首をかしげている。
相変わらず患者は右下腹部を抱えていて、かなり痛そうな様子。
「エコーの準備、それと血液検査」
新米医師が再び指示を出す。
看護師の動きが一瞬止まった。
2名の看護師が黙ってお互い目を合わせてたけど、
言われたとおり準備に取り掛かった。
 
しばらくしてエコーと血液検査の結果を見ながら、
再び処置室で新米医師がうなりだしてる。
患者の表情は真っ青、冷や汗も搔いている。
救急車が到着してから、すでに30分以上経ってる。
「CTを撮るから用意して」
新米医師の指示に、ベテラン看護師長がブチ切れた。
「いいかげんにしなあんた!!急性虫垂炎だなんてハッキリしてるでしょ!」
「でも、原因がハッキリしないで処置はできないから」
「大学病院の研修で何を教わってきたんだい?まずは痛みを抑えるのが先だろ!」
「ええ?そうは言っても、、、」
「もういいから、ブスコパン打つよ」
その後の指示はすべてベテラン看護師長が出した。
新米医師は処置室の隅の方でしょんぼりしていた。
 
会社でネットワーク障害があり、上司と
「原因追及か早期の回復か」
と言うことでぶつかってしまった。
 
なんかつまらないことを思い出しちゃったんだよね。