《at ミーシャのアパート》
ミーシャ 奥さん 警察
対外情報部関係者がいる
An: パパッ! ママッ!
奥: アンナ.. アンナ!
無事でよかったわ アンナ..
《at ドイツ大使館》
AとB Rの手をとり
AB: よかったな.. よかったな、R
R: ...はい (グスッ!)
ところで先輩たち
またドイツからいらしたんですか?
A: 土曜日の夜
少佐から連絡をもらってすぐ
R: 少佐は?
B: さっきまで対外情報部に
詰めてたんだが
A: NATO軍関係者と机上演習前の
打ち合わせで、早めに会場へ行った
B: まる二日
ほとんど寝てないんじゃないか
R: ・・・
《夜 at the hotel 少佐の部屋》
少: 長兄ドミートリイの脱走計画を
立てたのは次兄のイヴァン
実行の段階に入って
彼は人事不省に陥ってしまう
長く修道院にいた末の弟アレクセイは
意外にもその計画に反対しなかった
実行指揮するのはイヴァンの年若い恋人
反体制派のニューリッチの亡命計画と
読み替えることも出来る
誰が計画して 誰が実行に関わるのか
「シラーの館」の数字は場所か 日時か
或いは資産の隠し場所か
いずれにしろ、おれの任務には
関係ないことだが...
トントン
少: 入れ
A Rを連れて来る
A: やっと警察の事情聴取が終わりました
R: 少佐.. ご心配をおかけしました
R 深々と礼をする
少: 無事で何よりだった
...おれの方からも
2、3聞いておきたい
A: 少佐 ミーシャから電話がありました
少: おれの方にもあった
A: 対外情報部からも詳しい説明が
あると思いますが
犯人はきっと捕まりませんね
政治がらみの他の事件と同じく
少: ...A 席を外せ
A: は? ..あ はい
A 退室 パタン
少佐 しばしRを見る
少: ...どうだ 少しは落ち着いたか?
R: はい 両先輩の顔を見た時、
すごくほっとして..
少佐にお会いしたら... ますます
少: ほれ この椅子にかけろ
R: はい
R 椅子にかけ、少佐 ソファーにかける
少: R、これは上官として
聞いておかなければならないのだが
R: はい
少: その つまり... 何だ
R: ?
少: 何でもなかったか?
R: 何が何でもないんですか?
少: ... つまり、その
女性として辱めを受けなかったか
ということだ
R: レイプということですか
少: そういうことだ
それなりのケアが必要になる
R “ニコッ!”
少: ン..
R: ご安心ください、少佐
それはありませんでした
少: 本当か?
R: 本当です
アリョーシャの脅しはなかなかでしたが
少: ・・・
R: 多分アリョーシャはホモだと思います
ダンサーはホモが多いです
少: それは.. 不幸中の幸いと言うべきか
(たまにはホモもいいもんだ.. )
よかったな、R
R: はい
少佐 つと席を立って窓際へ
タバコに火をつけて ポツリと
少: ...ほんとに.. よかった...な
R: 少佐..
《at 少佐の部屋の外側 ドアの前》
A 聞き耳を立てている
A: (何も聞こえない)
B 後ろから
B: 何してんだ? お前
A: (わっ‼) シ、シィー!
《at 少佐の部屋》
R: あの少佐 お願いがあります
少: 何だ 言ってみろ
R: 私の携帯とbagは
別荘の中にあったそうで、
じき警察から届くと思いますが
その間お金をお借りしたいんです
ユーロで
少: それはいいが、何に使うんだ?
R: 朝 アンナちゃんと私を
拾ってくれた高利貸しに
携帯使用料を払います
少: 高利貸しに携帯使用料?
R: 早く無事を知らせたかったので
借りたんですけど
友達のネックレスを担保にとられました
私も値切ったんですけど
足元を見られました
上には上がいるんですね、少佐
少: ユーロで支払うよう言ったのか?
R: はい イギリス人でしたけど
ドルかユーロでと
少: R その男は一人だったか?
R: いえ 他に二人
少: ・・・
R: 美形とおじさん
イギリス人です
少: R...
それはおれのよく知っている
ヤツらだったか?
《at 少佐の部屋の外側》
AとB ドアに耳をつけている
少:〈まぬけ 〰〰〰〰 !
よりによって
あいつらの車に拾われるとは
何事だ ―――――――― ‼〉
AB: ワッ⁉
To be continued