《at  少佐の部屋》
少: まず そこに座れ
R: はい


R 椅子に座る 

少佐とA 立っている
 

少: 3月 空軍基地に行った時、

     救難活動に参加したな?
 

R: (ドキッ! な、何でばれたのかな...) 

     はい 
 

少: その時の状況を詳しく説明しろ
R: は、はい



R: ~ 以上です
 

少佐 タバコを取り出す
 

少: 何でその時報告しなかった?
 

R: (ヘッ⁉) 

     あ.. あの 何でって...
 

少: 搭乗規程に引っかかりそうで

     報告出来なかったのか


     それとも救難隊から口止めされたか
 

R: (カチン!) 

     そんなことありません!
 

少: じゃあ 何だ?
 

R: 報告しなくていいと、

     少佐がおっしゃったからです!
 

少: おれはそんなこと言わんぞ!
 

R: いいえ! おっしゃいました‼


 

A: (ドキ.. ドキ...)  

  
 

R: ついでに私の顔など見たくもないと
 

少: (あ...) 

 

     そ、そうだったか?
 

R: そうです!
 

少: (..そうだった...らしい)
 

A: (エ.. R..)              冷汗タラリ


     あの少佐 その事故が何か?
 

少: 事故機は旧KGBのダミー会社の

     所有だった
 

タバコを消す


 

A: 旧KGBのダミー会社..
 

R: そういえば、ずい分古い型の

     双発のプロペラ機でした
 

少: 搭乗者はウクライナの情報局員
 

A: で、胸を撃たれていた...
 

少: R いくらおれが報告せんでいいと

     言っても

 

     情報部員として
     おかしいと思わなかったのか?
 

R: はあ..
 

少: もっと勘と頭を働かせろ!
 

R: それって責任転嫁してませんか?
少: なにっ‼


 

A 非常にあせる
A: (あわわ..)


 

R: あの
少: 何だ⁉
 

R: その人から紙を預かりました
 

少: 紙? どんな?
 

R: きたない紙 二枚です 

     文字が書いてありました
 

     一枚は手書きで もう一枚は印刷
 

少: 何て書いてあった?
 

R: 読めませんでした
少: 読めなかった?
 

R: はい ただ手書きの方は

     「シラー」がなんとかと...    
 

     そこだけドイツ語だったので
 

少:「シラー」か.. 何だ、それは
 

A: 人の名前です


少: 当たり前だ! 

     で、その紙はどうした?
 

R: あまりきたなかったので 
少: 捨てたのか?
 

R: いえ バウアー技官に預けました
 

少: 技官は何と言っとった?
R: そのうち見ておくと
 

少: A! バウアー技官に連絡をとれ!
 

A: 時差があるとはいえ、

     もうお帰りになったのでは
 

少: 自宅にだ! 

 

     いくらジイさんでも

     まだ起きているだろう!
 

A: バウアー技官の自宅の電話番号..


 

A パソコンを立ち上げる
A: 待てよ 携帯の方がいいか...  ブツブツ..
 

 

少: R お前はもういい 

     後はこっちで調べる
 

R: はい では失礼します
 

     (よかった 機嫌が悪い割には

      このくらいで済んで)
 

R 椅子から立つ
 

少: ン..  (香水... )
 

    フン  ロシア男の気を引くために

    そんなもの着とるのか


R: (カチン!) 

     お、お言葉ですが、

 

     この程度の服は初対面の人への

     エチケットだと思います


 

A: (は?)
パソコンを打つ手が止まる
 

 

少: おれは色気で情報をとれと

     言った覚えはないぞ
 

R: (カチン! カチン!...カッチン‼
       な、何よ 人のこと言えるの⁉)
 

     私は上官を見習って見ただけです
 

少: な...
 

A: エ、R‼  

     (気をつけて話せと言ったのに~!) 

   
 

A バタバタと席を立つ 

少佐 手でAを制して
 

少: 上官を見習って見たとは、

     どういう意味だ? 部下R
 

R: 少佐はフランスの女スパイと

     いちゃついてます!
 

A: ほ、ほんとか⁉
R: ほんとです!
 

少: な、訳ないだろうが‼
 

R: 三日もランチをいっしょにして、

     今日の夕食だっていっしょのはずです
 

A: それで航空券のことで電話した時、

     つながらなかったんだ
 

少: 別件の任務だ!
 

A: 久々ですね 少佐
少: 何?
 

A: オーストリアの清純派スパイ以来..
 

R: オーストリアの清純派って?
A: あ、後でゆっくり..
 

少: 余計なことは言うな


R: ないことじゃないんですね 

     見損ないました 少佐
 

少: ・・・
 

R: 今度のはエマニュエル・べアールです
A: ヘェ.. よさげ
 

R: 好みのタイプも節操がないんですね
 

少: いいかげんにしろよ R‼
 

R: 少佐はモスクワのっ! ...

     (はっ まずい)

 


少: ・・・
 

R: (寝技師と言ってしまうところだった)
 

少: モスクワの.. 何だ?
 

R: 何でもありません 

 

     とにかく食べ物の恨みは

     怖いんだから!   失礼します!
 

バタバタ... バタン!

 


少佐 A ボーゼンと見送る
 

 

A: Rにしてはめずらしく

     反抗的な態度でしたね
 

少: お前が余計なことを言うから
 

A: 少佐も少佐です 

 

     あの程度の服で

     男の気は引けませんよ
 

少: .. フン 

     おれがモスクワの何だっていうんだ

 

 

 

 

          To  be  continued