秋姫緋奈 | Avaloncity Graffiti Gallery

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不肖「信頼出来ない語り手」明智紫苑の落書き帳&ドール写真集です。気が向いたら、小説も掲載するかもしれません。

 このキャラクタードールは、私のライフワーク『Avaloncity Stories』のメインヒロイン2号 松永緋奈 まつなが ひな (Hina Astarte Matsunaga)です。以前の記事で紹介したアスターティ・フォーチュンの他に「メインヒロイン」がもう一人いるのは、彼女たちのシリーズ全体における重要性がほぼ互角である上に、エピソードごとにそれぞれ違うヒーローやヒロインたちがいるからです。
 超人的な能力を持つ、いや、超人そのものである彼女についての詳しい情報は、私のメインブログ『Avaloncity Central Park』 の緋奈ちゃんの記事をご覧ください。


 全身像。この衣装はモモコドール「CCS 18SS momoko」のものです。緋奈の黒髪と白い肌によく似合います。ちなみに、衣装の元の持ち主は、髪を再植毛していますが、それらカスタムモモコたちについては、いつかは紹介するかもしれません。
 私は服などの付属品目当てで既製品のお人形をお迎えする事がたまにありますが、服などの元の持ち主であるお人形本体のカスタムをします。元のキャラクターとしてのアイデンティティを保つ場合もあれば、オリジナルキャラクターに改造する場合もあります。オリジナルキャラクターにする場合は、アスターティや緋奈たちと同じく「Avaloncity Dolls」の一員として、自作小説の登場人物にします。

 白いデコルテがまばゆいです。赤い唇、白い肌に黒髪と、日本人のお姫様キャラクターにふさわしい容姿ですが、彼女の物語上の立場は、お姫様というよりは女神様です。そもそも、この子の名前の由来の一つは、ハワイの月の女神〈ヒナ〉ですが、実はそれは半ば後付け設定です(『みどりのマキバオー』の主人公の境遇がたまたまタマモクロスに似ていたようなものです)。冲方丁氏の大ヒット小説『マルドゥック・スクランブル』のヒロインであるルーン・バロットの要素が、緋奈の原型の一つです(バロットはフィリピンの雛料理の名前です)。他には、『ファイブスター物語』(以下、FSS)のメル・リンスのイメージも入っています。
 もう一人のメインヒロインであるアスターティの名前は、明確に古代フェニキアの女神アスタルテに由来します(バイロンの戯曲『マンフレッド』にも「アスターティ」なる女性は登場します)。実はアスターティは、かつてはFSSのラキシスや『ああっ女神さまっ』のベルダンディーと同じく「三姉妹の次女」という設定でしたが、少しでも彼女をFSSや『女神さまっ』から切り離すためにも、あえてその設定を捨てました。
 その代わり、アスターティには2歳下の弟アスタロス(天使のような美貌を持つ「少年悪魔」)がいますが、もしかすると浦沢直樹氏の漫画『モンスター』に登場するキーパーソンの美青年〈ヨハン〉の存在が影響しているのかもしれません。

 再び全身像。艶やかな秋の女神。赤を基調とした撮影セットと、着物の青緑との対比が我ながら気に入っています。以前のアスターティの記事に使った写真を撮った後に、撮影セットの飾りを整理しましたが、飾りの造花ならぬ造葉を剥がした後が、怪我の功名として味わい深くなりました。

 琵琶を持つ歌姫にして舞姫。清楚さ(というか清冽さ)と妖艶さを併せ持つキャラクターとして彼女を作りました。それはさておき、今どき「清純」並びに「清楚」という形容詞は、やたらめったらと使われ過ぎて、ずいぶんと安っぽい言葉に成り下がってしまいましたね。90年代の某女優さんのスキャンダルで「魔性」という単語が安売りされるようになりましたが、あたしゃ、サザンの『TSUNAMI』の歌詞に「魔性」という単語があるのを確認した時にはずっこけましたね。
 サザンオールスターズといえば、『いとしのエリー』という名曲がありますが、私にとって『TSUNAMI』とは単なる『いとしのエリー』の「セルフパロディ」としか思えませんでした。『TSUNAMI』の前に出した実験的なシングル曲『イエローマン』を認めなかった一般人視聴者に対する風刺・嫌味として、桑田佳祐氏が作った楽曲こそが『TSUNAMI』ではなかったのか? それゆえに「魔性」なる陳腐化した単語が使われたのではなかろうか?
 しかし、『TSUNAMI』は大ヒットしました。すなわち、桑田佳祐氏の「風刺」並びに「嫌味」は一般人視聴者に気づかれなかったのです。

 秋風に言霊を乗せて。緋奈には動植物の魂を「精霊化」させる能力があります。つまりは、自分の「使い魔」を作り出す事が出来ます。その精霊たちは緋奈に従いますが、同時に独自の意思を持っています。
 例えば、黒猫姉妹〈黒蜜〉と〈黒月〉がいますが、彼女たちのドール化は、現在ドール化を予定している人物(新作小説に登場する予定のキャラクター)の後にします。

 無骨な魔剣〈 属鏤 しょくる 〉を持つ緋奈。この異様な姿形の剣は、彼女があるエピソードで 伍子胥 ご ししょ から譲られるものです。属鏤は一見、岩を思わせる形態ですが、実はこれは鞘に包まれた状態であり、中身は鋭利な剣です。ただし、この状態のままでも十分武器として使えます。
 まあ、一見鈍器のようでもありますが。

 属鏤の剣には真っ赤な宝石状の物体がいくつかはめ込まれていますが、これらも何らかの魔力が込められたものです。属鏤は自由意志を持つ剣であり、〈彼〉自身が緋奈を主として選びました。

 過去と未来の女神。『Avaloncity Stories』は地球史編「第一部」、植民惑星アヴァロンが舞台のSF編「第二部」、そして未来のアヴァロンが舞台のファンタジー編「第三部」に分かれていますが、彼女とパートナー〈果心〉は全ての部に登場します。フォースタスとアスターティは輪廻転生をしていきますが、果心と緋奈は第一部から第三部まで同一人物です。

 最後にまた全身像。モハメド・アリの戦法を表す名言「蝶のように舞い、蜂のように刺す」とは、松永緋奈(ヒナ・アスターティ)という女剣士にも当てはまります。艶やかに華やかに、蝶のように舞い、蜂のように刺す。



【David Lee Roth - Hina】
 月の女神、ヒナ。