7日(土)上野の森美術館で
始まった『怖い絵』展に行ってまいりました。
{A0412034-858D-48A1-B2FA-DE0852A8EAF2}
土日は長い行列ができるほどの人気だと伺っていたもので、平日の朝、開館と同時に入ろうと早めに足を運んでみました。それでも、開館を待つ人の列が。

上野には西洋美術館や博物館、上野動物園のシャンシャン人気もありますし、いまは上野を周遊する人の数が特に多くなっているのでしょうか。



この展覧会は

作家であり、ドイツ文学者の中野京子さんの
ベストセラー『怖い絵』シリーズの刊行10周年に
合わせて開かれたもので


その本に登場した作品などを集め
作品にまつわる怖いエピソードや
恐怖を読み解くヒントとともに、名画が紹介されています。


約80点が
テーマごとに分けられ紹介。


中でも惹きつけられたのは
ポール・ドラローシェの『レディ・ジェーン・グレイの処刑』(ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵)です。
日本初公開の注目作‼︎


音声ガイドの中で中野京子さんが

この作品の公開が叶わなかったら
展覧会の開催も考えられなかったというほどの
肝入りです。
{09AE754D-8011-44FE-9716-FB2097EFE1BB}
16歳の若き元女王の最期の姿を描いたもの。

こちらのポスターなどでも作品の一部がみられますが

実物は
縦2.5メートル、横3メートルにも及ぶ大作で
絵の大きさだけでなく
絵そのものに力を感じ、圧倒されてしまいました。


レディ・ジェーン・グレイのほか
聖職者や侍女など他の人物も描かれた構図に
なっていて
舞台、演劇をみているかのような
リアリティです。


細部まで美しく描写されているからこそ、なのでしょうか。


現実に起こったことに迫った絵なんだと実感し
登場人物の苦しみなどの感情を想像して
心が震えてしまいました。


王座に就いたのがわずか9日間という
数奇な運命ながらも
覚悟を決めたような凛とした佇まいのジェーン。


その清らかな美しさが際立ち
恐ろしくも感じるほどでした。


美しさと怖さが
表裏一体となり同居したような作品。






音声ガイドで中野京子さんが

「恐怖には
抗い難い吸引力がある。

死の恐怖を感じるときほど
生きる力を感じる瞬間はなく

安全な場所から
恐怖を垣間見たいというのは
その人間存在の皮肉なありようからくるのでは
ないか」

というような趣旨のことを
伝えていらっしゃいました。


なるほど、ですねグラサン



展覧会では
死や天災、殺人、悪魔など
さまざまな恐怖に出会いました。
皆さんにとっての
一番の恐怖はなんでしょうか。




ともあれ
わたしのように絵には疎く
絵のことを知らずに行っても
楽しめる美術展だと思います。

その場で背景などを勉強させてもらって
入り込むことができたので。


絵を味わうたのしみ、よろこびを
感じられた機会でしたー。



12月17日まで開催されていまーす天使アップ
{9042C723-943B-4849-8803-F4728923BE2C}
美澄。