スリーポイントシュートは、通常のフィールドゴールよりも距離があるため、成功すればより多くの得点を稼げ、現代バスケットにおいて非常に重要な武器となっています。一部の選手は、特に高いスリーポイントの成功率を誇っており、彼らはスリーポイントスペシャリストと見なされています。今回はそんなスリーポイントの成功率でシーズン1位の記録を保持した選手を4人紹介したいと思います。

 

 

グレン・ライス/Glen Rice

 

203cm/97kg

1996-97シーズンに1位達成/ホーネッツ

26.8pts、4trb、3P47%(2.6本成功)

 

90年代を代表するスリーポイントシューターとして主にホーネッツ、ヒートで活躍し、レイカーズでは第3の男として優勝も果たしたライス。彼はエースとして活躍し多くのディフェンダーにマークされながらもスリーを40%以上の確立で成功させるスコアラー兼シューターでした。このシーズンにはAll-NBA-2nd-Teamに選出されただけでなく、オールスターでもMVPを受賞するなど、キャリアで最も活躍したシーズンに成功率で1位を記録したのです。

 

この年のオールスターではマイケル・ジョーダンが14得点、11リバウンド、11アシストを記録しオールスター初となるトリプルダブルを達成。しかし、第3クォーターだけで20得点を記録し爆発的なオフェンスを見せたライスにジョーダンは「みんなが君を探しに来るよ」と伝え、自分に遠慮せずにシュートを打てとアドバイスしたといいます。

 

 

 

 

スティーブ・カー/Steve Kerr

 

190cm/79kg

1994-95シーズンに1位達成/ブルズ

8.2pts、3P52.4%(1.1本成功)

 

プロ2年目のキャブスでもこの記録で1位となったカーは95年のブルズでも52%という驚異の成功率で1位を達成。その後もブルズの後期3連覇に大きく貢献するなどして、スリーポイントシューターとして有名になりました。このシーズンの終盤にマイケル・ジョーダンが電撃復活しますが、ジョーダンとの相性がばっちりなのか、シーズン最後の月となる4月には9.4pts、3P63.6%(1.3本成功)と猛威を誇りました。

 

この時代のマイケル・ジョーダンについて調べていると、カーが何かとジョーダンについて語っている記事を発見します。NBAは当時からジョーダンが話題の中心だったゆえに、同じチームメイトなのでメディアで発言する出番も多かったのかもしれません。しかし、他のチームメイトよりも発言回数が多いという印象。現在のコーチをしている姿からも、インタビューには誠実に答えているような感じ。この時から彼にはそういった要素があったのかもしれませんね。

 

 

 

 

ティム・レグラー/Tim Legler

 

193cm/90kg

1995-96シーズンに1位達成/ブレッツ

9.4pts、3P52.2%(1.7本成功)

 

1988年のNBAドラフトでは指名されず、ヨーロッパでプロをスタートした苦労人。CBAでもプレーし、そこで得点王に輝いたことで、サンズからチャンスを得てNBAデビューとなりました。しかし、サンズ・ナゲッツ・ジャズと移籍しましたが、いずれもインパクトは残せず。ジャズから解雇された後に拾われたマブスにて、ようやく安定したローテーション入りを果たします。その2年後のブレッツ(現在のウィザーズ)にて1位を達成し、NBA史に名前を刻みました。

 

レグラーはこのシーズンに開催されたオールスターのスリーポイントコンテストでも、デニス・スコットを破り優勝を果たします。レグラーにとって大舞台の主役になることは珍しいことでしたので、非常に緊張していたといいます。レグラーの奥さんが「あなたは最高のシューター。何が起ころうと、あなたは素晴らしい1年を過ごし、私たちのもとに帰ってくるのよ」と伝えたことで気持ちが和らいだといいます。

 

優勝後のレグラーの言葉が素晴らしい!

「MVP=Many Valuable Players!」多くの重要な選手と言っています。私もそう思います。映像では彼の優勝をチームメイトのジュワン・ハワードが大喜びしているのも良いですね。

 

 

 

デル・カリー/Dell Curry

 

193cm/86kg

1998-99シーズンに1位達成/バックス

10.1pts、3P47.6%(1.6本成功)

 

ホーネッツのシックスマンとして、そしてステフィン・カリーの父として有名な選手。この年はロックアウト後のシーズンであり、通常82試合が50試合まで短縮されていました。既に34歳となっており、何度もスリー成功率40%以上を記録していたことで、シューターの実績は十分に評価されていましたが、1位を記録したのは初めてでした。

 

この年、10シーズンもの間、在籍し続けたホーネッツを移籍したカリー。ホーネッツはデリック・コールマンらと契約を結び、34歳となったカリーには契約延長がなされませんでした。バックスはレイ・アレンが台頭していましたが、ベンチからの得点源が不足しており、カリーに声がかかりました。出場時間は20分程度とピーク時からはやや減少したものの、高確率のシュートは衰えておらず、十分に結果を残したといえます。

 

 

 
 

最後に惜しくも、スリーポイントの王者に輝けなかった選手を1名紹介したいと思います。

 

 

マイケル・レッド/Michael Redd

 

198cm/99kg

2002-03シーズンに2位達成/バックス

15.1pts、3P43.8%(2.2本成功)

 

斧を振りかぶるような独特のシュートフォームが特徴的なレッド。キャリア3年目、レイ・アレンのバックアップとして徐々に実力を高めていた、まだオールスターに出場する前のシーズンです。この年は高いディフェンス力で有名なスパーズのブルース・ボーウェンが44.1%で1位となりました。レッドはルーキー時代から7年連続でシーズンの得点記録を伸ばし続けたことで、成長率の高い選手としても知られることとなります。(2pts→11→15→21→23→25→26)