今回も、この本についてである。
この本の中に、以下のようなことが書かれている。
『男性が権力を持ちたがるのも、女性を憎むのも、女性に暴力を振るったり、女性の自立心と自主性に敵意を向けたりするのも、根底にあるのは男性の性的欲求不満である。』
著者は、男性が女性に暴力をふるったり、憎しみを感じたりすることは、性的欲求不満の表れだとしている。
これは、なんとなく理解できないこともない。
しかし、男性が権力を持ちたがる理由が、「性的欲求不満」と結びつくのであろうか?
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中国などの宮廷には、「宦官(かんがん)」と言われる人たちがいた。
彼らは、幼いときに男性器を切り落とされ、後宮などに出入りし皇帝や皇后の身の回りの世話をした。
中国では、どの王朝にもこの宦官が存在し、歴史でも暗躍するのである。
彼らは、性欲が無い代わりに、ほぼ例外なく「食欲」と「権力欲」に走った。
「秦」王朝も、「漢」王朝も、コロコロに太った宦官たちが権力を握り、圧政を敷いたことが滅亡の遠因になっている。
ここで、少し考えてみよう。
宦官たちは、なぜ「権力欲」に走ったのだろう。
「エロティック・キャピタル」の著者が言うように、「性的欲求不満」が原因なのであろうか?
男性器を切り落とされても、「性欲」が密かに燃えており、満たされない、そのはけ口として「権力欲」に向かうのであろうか?
それとも、権力欲とは、「性的欲求不満」と全くリンクしない、別のホルモンによって作用されるものなのだろうか?
結局、私独りで考えていても答えは出ないのである。
みなさんは、いかが思われるだろうか?
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