私達日本人の多くはサラリーマンである。
そして、所属している組織や会社に忠誠を尽くし、生涯にわたってサラリーをもらえるよう努力する。
貿易立国の日本の国民として、そういう生き方が当たり前だと思って久しい。
しかし、戦前は、企業などに勤めるのは、次男坊や三男坊が出稼ぎに行くとう感覚が大半だった。
一つの企業や組織に長く務めるという感覚もなければ、「忠誠心」もなかった。
せいぜい、2~3年務めて、貯まったお金を持って田舎に帰り、田畑を購入するのであった。
これには、戦前は大家族制であり、本家の長男のもと次男や三男も家族と見なされ協力し合っていたという背景がある。
要するに、サラリーマンと言う職種は、「仮」の姿であり、日本国民は「農家」という意識が強かったのだろう。
そのため、企業側もいつやめるかわからない従業員に、福利厚生や教育などを十分に実施するわけが無かった。
戦前の労働環境が劣悪だった背景には、働く側の「忠誠心」の低さもあったわけだ。
それでは、なぜ戦後、急に日本人はモーレツ・サラリーマンになったのだろうか?
(つづく)