【第3564回】





付加価値とは、企業自身が最終製品に投入した

すべての資源と活動に対する市場の評価を示す。



(p.97「現代の経営(上)」

 P.F.ドラッカー 

 ダイヤモンド社 1954年著作)



ドラッカー先生は

このことに付け加えて


コストが経済的に意味ある形で

配分されている場合


有効であることを

念押ししています。


つまり、

コストにおける間接費が


付加価値にどのように

反映されているかを見ることで


どのように配分、増減を

決めることができるわけです。


生産性の向上と言い換えても

良いものですが、


重要なのは

資源を適切に無駄なく

成果に注ぎ込めているか


ということであって


これが分からないということは

ブラック企業よろしく、


力技で人間を疲弊させる

マネジメントにしかならない

という意味になります。





都知事選のニュースを

よくネット記事で見かけますが


ネットではどうやら

石丸さんが非常に人気のようで


老害を攻撃する態度が

受けています。


ただし、この方を

応援している人が

どのような人か知れませんが、


これほど合理的に

ものを考える人であれば


あらゆる無能が攻撃の

対象になるわけですから


自らの首を絞める

結果になることも想定して

応援すべきでしょう。


「権利を得たいのであれば

義務を完璧に果たせ」


そういう態度にあって

一部の隙もない人と

つき合えるかどうか


僕にはわかりません。





何が言いたいかって

企業が経済的に解決すベきことと


国や社会が解決すべきことは

必ずしも一致しない


ということです。


国が付加価値を出すのか


民間が付加価値を

得られやすくするのか


それだけでも

ものの考え方は

ガラッと変わります。


財政赤字とはいえ、


「民間に出し過ぎているから」

という面ももちろんあって


民間が付加価値を得るほどの

間接費の使い方が

果たしてできているかどうか


その両輪がなければ

社会は安定しないでしょう。


ただ民間が、国の財政を

食いつぶすような

仕事しかしなければ


税金としても還元できず

そうなれば、健全な企業にも

悪影響がでます。


そういう意味でも、


しっかり数字で管理できる、

数字で管理しなければならない


そういう制度、仕組みは

呼び水として重要なのです。





そして、この呼び水が

どのようにあるべきかは


ただ、無能を攻撃して

解決するものではありません。


議論をする場合でも


相手の立場を汲みながら

ひとつひとつ解決するから


精度の高い仕組みを

構築することができるのです。


社会を包含する仕組みにするなら

この態度は欠かせません。


岸田首相の仕事は

この最中にあるわけで、


一朝一夕で結果を求める方が

幼稚という他なく、


かえって解決を遅らせると

感じる次第です。


個人的な意見として

ご参考まで。