【第3509回】





患者が積極的に関与すればするほど、

アニムスとアニマの人格化された形姿は

消え失せていき、それは、

意識と無意識の関係の機能になる。

しかし、無意識内容(すなわちそのような空想)

が「了解され」ないと、そこからは

否定的な活動や人格化、つまり、

アニムスとアニマの自律が生じてしまう。

心の異常が生じ、よくある気分や「観念」から

精神病にいたるまで、

あらゆる段階の憑依状態が生じる。



(p.180「自我と無意識」C.G.ユング

 第三文明社 1928年)



まず、アニムスとアニマの

ざっくりした説明をします。


アニムスは女性の内面にある

男性の人格であり、


アニマは男性の内側にある

女性の人格であって


それぞれは母親、父親を

模していると考えれば

わかりやすいでしょう。


この内面の人格に

「積極的に関与する」とは


自分の内面、無意識、

本来の望みに対して


しっかり意識を向けて

理解しようとすることであり、


これがはっきり意識されれば


アニマ、アニムスという

漠然とした内面の

人格的存在から


無意識を意識で自覚する

という明確な関係、


人格に対する機能として

働かせることが

可能になる、と言えます。





このアニマ、アニムスという

漠然とした人格のまま


本来の意味を

理解できないままだと


この無意識にある

アニマ、アニムスが


勝手に表面の人格に

影響を与えようとするのです。


このことをユングは


意識のあらゆる力を無視して

意識にこの人格の存在を

知らしめようとする


と言っています。


そのことを「憑依」と

表現しているのです。


「あらゆる段階」と

言っていることから

分かるように


一つの根本原因から


あらゆる精神的な異常、

その程度に渡って


様々に表面化する

ということであって


その中に、レズ、ゲイなどの

LGBTも含まれます。


(※性同一性障害を除く)


簡単に言えば、ゲイまたは

ホモセクシャルとは


男性の内面のアニマ、

女性性が人格に憑依したもので


生物的な女性ではなく


観念としての

「男性から見た女性」に

憑依されているので


その有様は女性性を

誇張した姿をしています。


ホモセクシャルの人が

濃い化粧だったり

派手であったり


女らしさを強く前面に出すのは

こうした理由によるでしょう。





思春期に男性同士、女性同士が

過剰に関係を強くする

場合があるのは


ある意味、普通のことで、


そこから内面の人格に

自覚的になっていくことで


精神的な自立を果たす

ケースがあるのですから、


そこにLGBTという

思想を持ち込んで

誘導してはなりません。


そして、ここが重要ですが


ユング博士は

これは治療法ではなく、


心理、つまり

心の道理についての説明だと


念押ししているところです。


内面の空想にふけったり、

あらゆる人間関係から

逃避すること


ではなく、


実生活上の課題を

果す過程において、


心の中で、精神は

無意識と意識の「機能」を

獲得しています。


このことを端的に言うなら、

男性であれ、女性であれ、


心の中の異性の知恵によって


非常にバランスの取れた

人格になるということです。





心理は精神的な自立に

向かうように

できているのですから


社会が神経症的な要求をしたり、

親が劣等感で邪魔をしなければ


良いだけのことです。


この「要求」や「邪魔」

を理解するためにも


正当な碩学の発見した

そのままの心理学が

理解されるべきだと感じます。


ご参考まで。