【第3500回】




現代のわが国では、権力を否定することよりも、

まず自分がどれだけの権力を持っているかを

はっきりと意識し、それに見合うだけの孤独に

耐える強さを持っているかを考えてみる方が

意味が深いと思われる。



(p.192「こころの処方箋」

 河合隼雄 新潮文庫 平成十年)



先生でも親でも

あるいは社会的な成功者でも


フランクで人づきあいの

良い人の方が


高い人格のように

扱われる昨今ですが、


権力、権威というものの意義は

否定されています。


しかし、社会である以上、


何らかの意思決定や

集団の方向性を決める

リーダーシップは不可欠です。


そんな場面で、

仲良しこよしをして


他の人と変わらない、

同等である、というような

態度を取りながら


暗に責任を回避して

擁護してもらおうとする

大人が多くなっています。


にもかかわらず、

待遇や給与面では


明らかな権威として

高すぎるほどに

評価されているのですから


卑怯だと言わざるを得ません。


そういう意味で、

岸田首相などは


現代のグローバル経済による

成功者からすると


不遇と言えるほどの

待遇でしかないのに


あり得ないほどの

非難に偏った評価しか

されないのです。





孤独に耐える人というのは


人の意見に左右されず

現実に対応できる人を

指しています。


解決不可能に見える問題を

何らかの形で前進させる


と言い換えても良いでしょう。


もちろんのこと、


そうした人こそ

僕ら一般市民は評価し、

支持すべきなのです。


礼儀正しく、仲良しこよし

そんなものは小学生の道徳で


大人はそれ以上の素養を

獲得しなくてはなりません。


個人的な意見として

ご参考まで。